一宮市の総合治水対策に学ぶ(委員会視察報告①)

企画総務委員会視察で愛知県一宮市と豊田市を訪れました。(10月10日-11日)
折しも視察から帰宅した翌日、日野市もこれまでにない大規模の台風19号に見舞われ、浅川氾濫の危険性により約8600名もの方々が避難されました。
一宮市の総合治水対策を学べたことを収穫とし、今後市政に活かしていきたいと思います。

一宮市は14年前に合併し誕生した、人口約37万人(愛知県で3番目)の市です。一宮市では平成12年に起きた東海豪雨による深刻な浸水被害を機に、「総合治水対策」を主要事業のひとつに位置付けています。計画では、過去の被害に基づき、かつ一宮市が管理可能な地区を重点地区と定めています。その地区において5年確率降雨(5年に1度程度発生すると予想される降雨、時間雨量52.4㎜)に対し家屋浸水を解消する治水対策を、河川等対策(ながす)、流域対策(ためる)、浸水被害軽減対策(そなえる)の3本柱で取り組んでいます。

例えば、流域対策では雨水流出抑制施設として、小中学校の校庭や公園広場などを活用した貯留施設の整備があげられます。校庭に透水管を張り巡らせて埋め込むことで、水を土に浸透させながら、水の通り道を作ります。集約された水は放水桝に貯められ、調整しながら放流されます(実際の設置例はこちらをご参照ください)。このような設備により、雨水の流出を抑制し、出水被害を軽減することができるのです。費用は1平方メートルあたり約9万円(広さにもよりますが1校あたり約1億円)かかりますが、国や県の補助金を活用しています。
日野市は総合的な治水対策として、当面の目標である 1 時間 50 ㎜程度の降雨に対応できる治水安全度を確保するため、国、東京都と連携し、種々の施策を策定し、その推進に努めているところでありますが、このような取り組み事例に学ぶところは多いと感じました。

また、日野ネットが求めている雨水タンク設置にかかる補助についても制度が整っており(補助の詳細はこちらをご参照ください)、ここ十数年で900件近く設置されています。申請件数が飛躍的に多い年があるのでお尋ねすると、宅地開発により住宅メーカーがまとめて設置をするケースであるとのことでした。日野市でも雨水浸透施設に加え、雨水タンクの普及を目指していきたいと考えます。

また、町内会手作り水害ハザードマップというのも見せていただき、地域で主体的に減災に取り組むよいツールであると感じました。
皆さんと一緒に、これからより一層、防災、減災について取り組んでいきたいと思います。

町内会手作り水害ハザードマップ

市役所や駅で見かけたソーラー充電スタンドは災害時にも役立ちます