ひとがつながる居場所のちから~「ホームレスと出会う子どもたち」を鑑賞して~

「まちづくり市民フェア2017」での企画、DVD「ホームレスと出会う子どもたち」を鑑賞した後、北村年子さんの講演会に参加しました。 

大阪市内の釜ヶ崎にある地域の児童館「こどもの里」では、全国で起きている10代の若者によるホームレスの人々への襲撃事件に心を痛め、子ども達にホームレスの人に出会う「こども夜回り」活動をしています。
はじめは何をどう話してよいのかわからない子ども達も、そのうちに話しかけながら、自分たちで作ったおにぎりやトン汁を配っています。皆それぞれに事情があって、いまこうして路上で暮らしているんだということを、人と人として出会うことで肌で理解していくのだそうです。 

北村さん曰く、ホームレスとは、そういう「状態」にある人々のこと、生まれながらではなく、誰しもなりうる可能性があります。だから救うことで救われるのです。北村さんは加害者となる子ども達も心の「ホーム・レス」な状態にあるといいます。ここでいう「ホーム」とはありのままの自分を受け入れてもらえる居場所のことです。自分を責めるは他人を攻めるにつながり、そのはけ口を求めてしまいます。 

子育てにおいて、親もまたできていない自分を責め続けることがあります。しかしそのままの不完全な自分を許する「受容する力」が大切だそうです。子どもに対して「You(あなた)」を主語とした「いい子ね、上手ね、頑張ってね」とほめるより、「I(私)」を主語とした愛のメッセージを伝え続け、子どものありのままを受け止めることで、しっかり根(ホーム)がはった子どもに育つのです。自分の子育てを顧みて、共感することが山ほどありました。 

このDVDは教材として使ってほしいと、2800円という値段で販売されています。帰りに子どもが同じクラスの母親と「ぜひクラスで見て欲しいね。」と話し合いました。「いじめたらだめ」「差別してはだめ」ではなく、子どものうちに多様な人々と出会い自分の頭で考える、そういった機会をたくさんつくれたらと思います。