日野第三中学校へのエアコン設置を視察して
夏は蒸し風呂、冬は冷蔵庫・・・それが学校の体育館のイメージではないでしょうか。
猛暑による子ども達の健康被害、また避難所としても広く市民の皆さんにも活用されることから、議会からもエアコン設置を求める声が多くあがり、まずは中学校から設置されることになりました。
2020年度、2021年度の2か年で全8校へ、今年度は日野第二中、日野第三中、七生中、大阪上中に設置されます。
はじめに設置が完了した三中での設置工事の内覧会に参加しました。(12月14日)
カバー工法による屋根の断熱改修が先行して行われたのですが、宮原校長先生曰く「それだけでも体育館に入ると外気よりヒンヤリ感じ、驚いた。」そうです。下の写真は断熱効果を伝える模型ですが(上段が表面、下段が裏面の温度が表示)
〇左(これまでの断熱効果なし):表面38.1度 裏面28.3度
〇真ん中(今回使用したもの) :表面53.6度 裏面19.9度
〇右:(更にコーティング仕様):表面32.5度 裏面19.7度
費用対効果で真ん中の断熱材を採用していますが、断熱効果は歴然ですね!また、下のボードの写真は工事途中の屋根の裏面からのサーモ写真ですが、断熱改修済のところは青、まだのところは赤、とこちらも効果がはっきりと目に見えます。(ちなみについでに雨漏り対策にもなったとのこと!)
工事は全部で5ケ月ほどかかったそうですが、体育館を利用しながら進められた点もよかったと思いました。三中では10台、下の写真のような形で設置していますが、それぞれ体育館の設置状況に応じた設置方法になっているとのことです。
機器はガス式ヒートポンプエアコン、ガス管から直接ガスを引き込むことで、電気よりも初期費用、ランニングコストともに抑えることができたそうです。
工事費は約5,600万円、およそ約半分は都の補助金、ランニングコスト(電気代、ガス代、保守点検)は年間約80万円とのことです。
キンキンに冷やしたり、ガンガンに温めたりするためではない、環境への負荷に配慮した室内温熱環境の改善を目的としたエアコンであることを確認しました。この日も暖房がつけられていましたが、これまでのように底冷えのする寒さがしない、といった全体的に柔らかな温かさでした。
子どもたちの学校生活環境の向上は大変喜ばしいことです。子ども達も待ち望んでいたはずです。
ただし、必要最小限で効果的な使い方をしていくよう、教育委員会においては運用ガイドラインを作成するなどすすめていただきたいと思います。
【参考サイト】
環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数とは? (env.go.jp)
※通常利用時に室内の暑さ指数(WBGT)が31度を下回るための冷房機能の能力を目標として機器を選定しているとのこと。