自分らしく生きていくために ~新成人のあなたへ~ 

成人の日、心よりお喜び申し上げます。

新型コロナウイルス感染症拡大の防止策を講じていたにも関わらず、式典の会場開催が直前に中止となり、さぞかし肩を落としていらっしゃることと思います。
あまり励ましにはならないかもしれませんが、20歳という節目にぜひ、届けたいメッセージがあります。お一人でも、お読みいただけたらという気持ちで「あなた」に向けて書きます。

私はあなたのお母さんの年代です。初産の平均年齢は約30歳といいますから、その頃出産していれば、あなたと同じく、今日成人の日を迎える子どもがいることになります。
でも私の子どもはまだ小学生です。比較的出産が遅かったのです。もしかしたら、あなたにもすでにお子さんがいらっしゃるかもしれませんね。

産みたいときに、産みたいだけ産んで安心して育てることができる、一方で産まないという選択や多様な生き方が尊重される、そんな社会が望ましいと私は思います。
あなたはどのように考えますか。
あるいは、望んでいても授からないこともあります。人生には、辛いことも色々あります。

お恥ずかしいことに、私が20歳の頃を振り返ると、そんなことは全く考えてみたことすらありませんでした。だからこそ、あなたにお伝えしたいことがあります。

 

〇自分も他人も大切に

残念ながら、いまの日本の公教育における性教育は、十分ではありません。自分や相手を知り、尊重しあい、生きていく上でとても大切なことなのに、です。
望まない妊娠性暴力を受けてしまった時、あるいはそのような方が身近にいる場合、どこに相談すればよいか、そういった知識も必要です。いかがでしょう、あなたはご存じですか。

特に女性は「私がいけなかったんだ」と自分を責めて、口を閉ざしてしまうことが多いと言います。そんなはずはありません。どうしてそう思い込んでしまうのか、追い詰められてしまうのか、考えてみてください。それが「ジェンダー」に気づくきっかけにもなると思います。

男性も女性も「ジェンダー」を問い続けていくことで、自分らしさが見えてきて、自分も他人も大切にしあえる、誰もが生きやすい社会になっていくと私は考えます。

 

〇未来を変える

国では「第5次男女共同参画基本計画」が昨年末に閣議決定されました。これは、男女共同参画社会を実現するための5か年計画です。このときに、若者の声を計画に反映してほしいという「#男女共同参画ってなんですか」というプロジェクトがありました。

今を生き、未来に可能性や選択肢をもつ若者たちにとって、ジェンダー平等の実現は自己実現に欠かせないものであり、若者が直面するジェンダー課題に改善が見られない場合、思い描く未来とは違う自分を生きていくことになりかねません。

だから声を届けようと呼びかけ、それを取りまとめて担当大臣に提出しています。(提言書はこちら)私は、この取り組みを素晴らしいと感じました。

いま、日野市でも「第4次日野市男女平等行動計画(素案)」のパブリックコメントを実施中です。
締切はもうすぐ、というか明日の1月12日です。堅苦しく考えず、またこんな小さなことなど思わず、まずはひと言、あなたの声をあげてみることから始めてみませんか。

因みに私たち生活者ネットワークが都内49自治体に独自に行った調査では、日野市はジェンダー政策で3位、女性の安心安全で1位という高い評価でした。

 

〇政治を変える

The personal is political (個人的なことは政治的なこと)はフェミニズム運動のスローガンです。もし今までそのような視点がなかったならば、ぜひ頭の片隅に置いておいていただければと思います。
特にここ一年近く、政治が自身の人生に大きく関わることを、実感されている方も多いのではないでしょうか。政治に無関心でいられても、無関係ではいられません。政治によって影響されることと、一人ひとりが政治をつくっていくことは表裏一体です。

あなたはすでに選挙権もお持ちです。ぜひそれをフルに行使して、あなたの未来を切り開いていってください。
応援しています!

白井なおこ

 

追伸:ジェンダーかるたなんていうのも作っています。コロナが落ち着いたら、カルタ大会も企画しますので、ぜひご参加ください。