学校に行けない・行かない子ども達の声を聴き、多様な学びの実現を!(12月議会一般質問)
市内で不登校状態にある児童・生徒の数は2022年度453名、近年右肩あがりで増加しています。
不登校の理由はそれぞれで、明確でないこともあります。そして誰にでも起こり得ることです。
日野ネットは、不登校は子どもの意見表明のひとつのかたちだと考えます。
子どもが喜んで行きたくなる学校へ変わることと、不登校支援は、車の両輪で進めていかねばなりません。学校以外の学びの場に多様な選択肢と迅速な対応を求め、質問・提案しました。
不登校支援計画の策定を!
保護者の方より「学校に行かなくなると家だけになる」「親子で孤立する」といった苦しい気持ちを伺いました。学校は「登校できるよう」応援してくれるので、話が平行線に終わってしまうのだそうです。
文部科学省は不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方として「登校という結果のみを目的としない」という視点を明示していますが(詳細はこちらをご参照ください)、現場では共有されていない場合もあるようです。
調布市で策定中の「不登校支援プラン」を紹介し、日野市の実態に応じた対応策・支援策を計画としてまとめることを求めました。それを周知することで共有され、推進されると考えます。
デンマークでは「そもそも不登校という概念がない」という話を聞きました。それだけ多様な学びの選択肢があるということです。計画策定はその一歩として、必要性を訴えました。
欲しいのはつながりと情報
日野市には「わかば教室」があり、現在115名が登録、一日20名から30名ほどの児童・生徒が通っています。一方で、わかば教室を見学して「合わない」と感じる子や、遠くて通えない子もいます。居心地のよい空間とする工夫やニーズ調査を求めました。
また、様々な理由で教室には入りづらい児童・生徒のために校内別室指導も小中6校で実施しています。
しかし、どこにもつながっていない児童・生徒のほうが多いのが現状です。相談や居場所に関する情報が不足しています。この質問の直前、教育センターは不登校支援パンフレットを作成し、保護者に周知したことは、一歩前進と評価します。
子どもが学校にいかなくなると親もどうしていいかわからず、「つい背中を押してしまうこともあった」「親子で疲弊しきってしまった」という話を聞きました。仕事もありますし、無理もありません。だからこそ「学校が合わないこともある」ということを入学前から保護者に伝えて欲しい、と切なる声を受けました。ぜひこのパンフレットを活用し、話をすることを求めました。
またやっと居場所につながったという方からは「はじめからつながることができたら、あんなに苦しまずにすんだのに」という声もありました。市内ではここ半年ほどで学びの場や居場所が増えています(最後に紹介しています)。パンフレットの情報を常にアップデートすることも合わせて求めました。
教育長からは、学校の改革と学びのアクセスを多様に用意する必要性について、熱のこもった答弁がありました。その思いをかたちにするためには、教育委員会もまた改革が必要だと感じます。
市長へは、総合教育会議のあり方、また不登校支援をテーマとして取り上げることを求めたところ、前向きな答弁がありました。
学校が変われば社会が変わるといいます。学校が変わるには、学校から遠ざかってしまった子どもの声をきちんと聴くことです。これからも皆さんとともに、小さな取り組みを丁寧に紡いでいきたいと思います。
★私が把握している限りですが、市内の学びの場や居場所をご紹介します。
◎フリースペースたけのこ
◎フリースクール寺小屋のびの~び
◎もうひとつの居場所第2の学校ももの木
◎学校に行かない子と親の居場所MYBASE
◎トーキョーコーヒー日野市
◎あお(主に八王子で農や焚き火などの活動)
★一般質問の動画はこちらからご覧いただけます。