「慰安婦」を忘れない(8月のフラワー遊説より)

女性への性暴力根絶を訴えている月例のフラワー遊説、今月は立川北口デッキで行いました。(8月12日)
この日の午前中、日野市内で「雪道」という映画の上映会があり、参加しました。連れ去られ、日本軍「慰安婦」として働かされた韓国の2人の少女の物語です。共に鑑賞した仲間がこの映画の話をしましたが、あふれる思いをうまく言葉にできなかったと、悔しそうに言っていました。その気持ち、よくわかります。

映画では、妊娠したら無理やりに中絶薬を飲まされ口がただれてしまう、性病にかかったら銃殺されてしまう、そんな生き地獄も描かれていました。言葉を失います。
「あまりに悲惨な出来事は言葉にならない」といったセリフが映画にありました。元慰安婦が公の場ではじめて語ったのは1991年金学順さんの記者会見です。終戦から46年の年月が経っています。この告白を機に、世界各地の元慰安婦が名乗りをあげてきました。まさに#Me Too運動の先駆者です。「なかったこと」にしないと生きてこられなかった、しかし「なかったこと」のままでは死ねない。一人ひとり長年に渡る壮絶な葛藤があったのではないかと私は思います。

上映後に聞いた元慰安婦を長年支援してきた梁澄子さん(希望のたね基金代表理事)の話では、元慰安婦ははじめは語ること自体に必死だそうです。途中で倒れてしまったり、泣き叫んだりすることもある。けれど受容されることで、次第に語りが変化していく、語ることでしか回復できないと話されていたのが印象に残っています。さらに、二度と同じような被害が繰り返されないための闘いへと、行動が変化していったといいます。
この映画は、過去と現在が交錯した構成です。生き抜いた一人が、高齢になってから出会った少女もまた、ひとりで必死に生き抜こうとしています。時代や背景は異なれども、性搾取にあったあなたが悪いのではない、と互いに心の距離を縮めていく姿に、性暴力とは何か、根幹的なテーマが描かれていると感じました。
歴史をこえ、国をこえ「あなたは悪くない」というメッセージを発信しつづけ連帯していくこと。
性暴力のない未来をつくっていくために、私たちも声をあげていきます。