議員の厚生年金加入にはNO!(決議より)

決議とは、議会が行う意思形成行為で、政治的効果を狙い、議会の意思を対外的に表明するために行われる議会の議決のことです。
議員より「厚生年金への地方議会議員の加入を求める決議」が提出され、賛成12、反対11で可決されました。
議員の成り手不足解消の一策ということですが、厚生年金への加入が解決策となるのでしょうか。しかも事業主は日野市であり、原資は市民の税金です。

提案者に「日野市議会24名の議員が厚生年金に加入した場合の市の負担額の見込み」を問うと「約1600万円」とのことでした。2023年度決算書の議会費には「議員共済会負担金ほか」として約5,000万円あります。旧地方議会議員年金制度の負担が今後も続く中、「新たな公費負担」に対する市民の理解が得られる訳はありません。

「国民年金」だけでは、とても“老後の安心”にはなり得ないのが現状です。そもそも、窮状に至るような国民年金制度のそのものが問題であることは言うまでもありません。
そして暮らしの不安は議員だけの問題ではなく、厚生年金に加入できない個人事業主やフリーランスの方々も同様です。国民年金に加入している中から地方議会議員だけ、厚生年金に加入できたほうがよいという正当性は、どこにも見当たりません。
国民年金の問題は、早急に是正すべきであり、それこそが議会の果たすべき責任だと考えます。

担い手問題については、改めて「議会とは、議員とはどうあるべきか」の議論が先だと考えます。地方自治を担う二元代表制の一翼を担う議会の役割として、報酬等もふくめ、どうあるべきなのか、批判を恐れず、市民と共に議論すべきです。

ライフステージの一時期、政治に参画することが有意義であると思える文化を目指したい-生活者ネットワークは議員報酬の一部をカンパ、普通の市民が選挙に立候補できる仕組みをつくり、議員は交代制で活動しています。議員特権を解消し、政治を身近な生活の道具とするためです。

議会改革も道半ばの日野市議会よりこのような決議をあげるべきではない、と訴え反対しました。

日野市議会議場(日野市HPより)

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