子どもの声を市政に反映させるために(民生文教委員会行政調査)
議会改革の一環で、昨年より所管事務調査が始まりました。
三つの常任委員会それぞれが所管する事務の中でテーマを設定し、2年間かけて調査を行い、市に対して提言等を行います。
私が所属する民生文教委員会では「子ども・若者の声をどのように聴いて、政策に反映させるか」をテーマに活動しています。昨年は甲賀市(滋賀県)と奈良市へ、今年は練馬区と深谷市(埼玉県)に行政調査に行きました(5月15日)。両市の取り組みの主な事項を表にしました。
練馬子ども議会 |
深谷市子ども議会 |
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いつから | 平成13年(2001年) | 昭和54年(1979年) |
開催時期 | 7月~8月 | 8月上旬
(小学生1日、中学生半日) |
対象(昨年度実績) | 中学生(34名) | 小学6年生(19名) 中学3年生(11名) |
選考方法 | 区立中学校(全33校)、区内の国・都・私立中学 校(6校)に推薦を依頼 | 市内の小中学校の学校長に参加者1名の推薦と質問書の提出を依頼 |
目的 | (1)中学生が日頃疑問に思っていること、子ども議員として希望や意見などを表明する場を提供するとともに、区政に反映させる機会とする。
(2)区政や区議会の仕組みを学習するとともに、選挙の仕組みについて理解を深め、区政への関心を高める機会とする。 |
深谷市の将来を担う子どもたちがまちづくりについて考え、意見を発表する体験を通して行政や議会の仕組みを学び理解を深めるとともに、子どもたちの純粋な意見を市政運営の参考とする。 |
実施方法 | 子ども議員は、調査、提案したい分野の4つのグループに分かれ、タブレットを用いた事前学習を行い、学習シートを提出。その後、学習会を4回実施。
最後の学習会では、議場で子ども議会の開会宣言を行い、 全員協議会室にて提言(案)を発表し、子ども議員間で意見交換を行う。教育長が講評する。 |
子ども議会は、議場で実施。子ども議員がタブレットを使用して質問。担当部長がパソコンやモニターを使用して答弁を行う。
答弁後、疑問等がある場合には1回に限り再質問が可能。質問した子ども議員に対して市長が講評する。市長・議長が全体の講評を行う。 |
提言に対する対応 | 各所管課に送り、対応を依頼。 | 市長、副市長、教育長、秘書室長、議会事務局長、答弁担当部長が子ども議会に出席。 |
政策への反映事例 | 小中学校のWi-Fi環境整備など | 市イメージキャラクター「ふっかちゃん」の誕生など |
予算
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40万円程度(冊子印刷代、交通費等)※都の補助金活用 | 6~7万円程度(記念品) |
その他 | 各グループには、区の職員(公募も含む)がファシリテーターとして配置される。 | 子ども議会で進行を行う正副議長(学校輪番制)には、事前に説明会を実施。 |
練馬区では、事前調査シートで自ら事前学習する仕組み、また職員が各グループにファシリテーターとして配置され、必要な知識を提供しながら伴走する仕組みが特によいと感じました。多くの職員が直に子どもの声を聴く機会が増えることは、区全体で子どもの声を聴いていこうという空気が生まれることにつながると考えます。そのような場があることは大切です。
深谷市では再質問ができるとのこと、子ども会議の事例ではじめて聞きました。大人の言うことに納得がいかなかったら、受け入れる一方でなくていいのだということが、仕組みとしてあることに異議があります。
民生文教委員会では、ふだん子どもの声を聴く側にある生徒会の子ども達に、教育委員会を通じてアンケートを実施しているほか、委員も各自に取り組んでいます。ぜひこちらからご協力いただければ幸いです。
委員の皆さんと議論を重ね、日野市に有意義な提案ができるよう、取り組んでいきます。

深谷市役所前にて
【関連報告】
かふか21子ども未来会議(視察報告①甲賀市) | 白井なおこ
子どもにやさしいまちづくり(視察報告②奈良市) | 白井なおこ