新教育長決まる その前後で考えたこと(第1回臨時会報告)
日野市では、前任の堀川教育長が3月末で退任された後、教育長不在でした。教育長は市長が選任し、議会がその選任に同意するかしないかを決めます。
新たな教育長の任命について、日野市議会臨時会が7月29日にありました。欠席1名、退席1名のほかは私も含め同意し、議決結果は同意でした。
新たに教育長に就任される白石高士(しらいし たかし)さんの経歴は日野市のHPにあるこちらをご参照ください。(8月1日より 任期は3年)
臨時会に先立ち全員協議会(全議員対象の非公式会議)が開かれ、市長、副市長、部長が説明席につきました。
私が6月議会の一般質問で、教育長に何を求めるのかを質問した際には、市長はリーダーシップやコミュニケーション力、また日野市の地域特性への理解をあげています。それを踏まえて選任理由を質問すると、豊富な現場経験および教育行政に精通されている点を評価している、日野市についてはこれから理解を深めていただきたいと、市長より説明がありました。
前任の杉並区であった教育委員会関連の不祥事についても問いましたが、「適切に対応している。問題ない。」との認識でした。
同意を得たいという熱意は残念ながら感じとれませんでしたが、これが市長の説明と受け止めました。
ちなみに福岡県の大川市では、副市長と教育長の人事案が3度に渡り不同意となる事態が、起きています。反対の意見として「議会に十分な説明がない」「教育現場の声を聞いてその人物像にあった人を教育長に選んでほしい」という声が報じられています。背景など詳しい状況はわかりませんので一概には言えませんが、結局は提案者である市長と議会との信頼関係、市長の説明責任、その進め方かと思います。
国も自治体も新たな学校づくりを模索しています。単に施設の話だけでなく、学校そのものが変わっていくには、教育委員会のあり方も変わらねばなりません。そのためには教育長の影響は大きいと考えます。
臨時会では、子どもの権利の保障を大切にしてほしい、経験を活かしつつも、前例にとらわれすぎることなく、力を発揮していただきたい旨、同意の立場で意見として述べました。
臨時会の翌週、新教育長と議員の顔合わせ会がありましたので、教育委員会のあり方に対するお考えについて問いました。教育で大切にしたいのは「自分の頭で考える力」を身につけさせること。そのためには考える管理職、ひいては考える教育委員会へ、ゆっくり時間をかけて取り組める組織にしたいということでした。「自分の頭で考える」それは私も常に心掛けていることですので、共感はしました。
新教育長の考えを知るこのような場は事前にあるほうが望ましいと考え、全員協議会においても、検討を求める意見を述べました。
同意にも不同意にも責任が伴いますから、人事案件は難しいと感じています。私の中でもまだ答えはみつかっていません。ただ、本会議での質疑を行っている議会もあるようですから(日野市議会では慣例として質疑省略)、そのようなことも含め、議会改革の中で取り組んでいければと思います。
大切なのはこれからです。
新教育長のもと、日野市の子ども達にとってよりよい教育環境となるよう、議会に臨みます。