種を守ろう!命を守ろう!

2月18日、日野ネットもメンバーである日野地域協議会で、主要農作物種子法(以下、種子法)廃止について学習会を開催しました。
昨年4月、種子法を廃止する法案が、十分審議されることなく、また農業関係者に説明もないまま、12時間余りのスピード審議で成立し、戦後日本の食と農業を支えてきた種子法が廃止されてしまいました。

●そもそも種子法って?
稲、麦、大豆の優良な種子の生産・普及を目的に国と都道府県の責任を規定した法律です。戦中や戦後直後のような食料不足を繰り返さぬよう、種子法のもとで安定した安価な種子の供給が実現しました。その土地に合った種子が農業試験場などで開発、管理され、多様な品種の栽培が公的に保たれてきました。

●なぜ突然廃止されたの?
その理由は「地方公共団体中心のプログラムで、民間の品種開発意識を阻害しているから」。しかし実際はメーカー開発の米が大手外食チェーン店で使用されるなど、民間企業開発の品種は複数あります。

●それでどうなるの?
大企業による独占が進むことが予想されます。利益優先のため、どの地域でも同じ品種を大量に生産できるよう、品種の多様性が失われ、品種改良が進み、農薬を多用することにつながります。同時に一代限りの種子(F1)で農業者に種子を買わせ続ける仕組みができあがり、農業のあり方そのもの、食文化が変わり、農産物の安全性も懸念されます。

●まずは知ることからはじめよう
DVDで基礎知識を学習したあと、市内の農業者、小林和男さんから種子の大切さについてお話を伺いました。
「農家はタネを大切に保存し、代々受け継いでいきます。絶滅してもタネさえあればまた作れるのです。米も麦も大豆もタネ、皆さんはタネを食べているのですよ。」
小林さんは日野生まれで途絶えてしまった「ひらやまおかぼ(畑で栽培するお米)」の種子を探し出し、子ども達と一緒に復活させて広める活動をされています。多様な種子を公的機関で管理することの大切さを実感しました。

平山おかぼは、のぎ(トゲトゲ)も丈も長くて丈夫

いま全国各地の都道府県で種子法に代わる独自の「種子条例」の制定や、地方議会からも国への意見書提出が相次いでいます。日野ネットも、農業者、市民の皆さんとともに、地元の多様な種子を守る取り組みを進めていきたいと思います。