9月議会報告「ヤングケアラー」「香害」

9月議会の一般質問では「ヤングケアラー」と「香害(こうがい)」を取り上げました。

「ヤングケアラー」介護を担う子どもたちへの支援を!

介護を担う家族介護者への支援強化の必要性は認識されつつありますが、それはあくまで「大人」が対象です。しかし、子どもが介護やケアを担っているという現実があります。
「ヤングケアラー」とは、家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものことです。ケアが必要な人は、主に、障がいや病気のある親や高齢の祖父母ですが、きょうだいや他の親族の場合もあります。

その役割や責任が、年齢に対して不釣り合いで過重な場合、学業や進学、就職、人間関係、心身の状態、ひいては人生設計に深刻な影響を与えることが懸念され、このようなヤングケアラーには社会的なサポートが必要です。
支援策の狭間にあり、見えにくい問題であることから、関連諸課の横の連携が欠かせません。

ヤングケアラーの実態調査を行った自治体の例や、サポートが進んでいるイギリスの例を交えながら、「ヤングケアラー」という新たなきり口で、問題を共有することを求めました。
市側からは「ヤングケアラーへの支援についても、取り組んでいく」、市長からは「深刻さを受け止め、真剣に考えていく」といった前向きな答弁を得ることができました。

「香害」を広げないために、なくしていくために

香害とは、柔軟剤や消臭剤、制汗剤や合成洗剤など、主に人工的な香り付き商品の香料などに含まれる化学物質による、健康被害を意味する新しい言葉です。冒頭に、せっけん会社の全面広告に掲載された、「香害」に苦しむ小学生の声を紹介しました。

「香害を知ってください」という新聞広告を紹介

これまで消費生活センターや学校に寄せられた、香りに関する悩みの声を聞きだし、日野・生活者ネットで行ったアンケートや学習会で得た情報を交えながら、取り組みの一歩として、啓発・周知を要望しました。

特に子どもへの影響が懸念されることから、学校においては「保健だより」等を通じての情報提供、ママパパクラスにおいては洗剤等の成分表示の読み取り方を講座内容に盛り込むこと、さらに庁内や関連施設、学校で使用するせっけんの成分・効果の再検証等を要望しました。

日野市では何年も前から、写真のようなポスターが生活保健センターに掲示はされてはいましたが、これからどう市民に理解を広めていくか、担当課に期待を寄せるところです。

もう何年も前からポスターの掲示はありました

市側からは「未然防止に向けた取り組みを推進する」「香料がはいっていないせっけんを選択していく」といった答弁に加え、市長からは、「製造側への働きかけを都や国に要望していくのは私の仕事」という言葉もいただきました。

2つの課題、今後とも行政と市民の皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思います。

※動画はこちらからご覧いただけます。