【5G 】 電磁波の子どもたちへの影響は?
私たちの生活は、より便利さを追求して発展してきました。それを享受する一方で、目に見えないもの、例えば電磁波の人体への影響は大丈夫なのでしょうか。携帯電話の新しい規格5Gのサービスが広まりつつありますが、特に子どもたちへの影響が懸念されます。
10月3日、小金井・生活者ネットワーク主催の学習会「『5G』電磁波と子どもへの影響」にオンライン参加しました。講師はNPO法人市民科学研究室代表の上田昌文さんです。学習会の概要を皆さんと共有したいと思います。
5Gとは
5GのGは世代を示すGeneration(ジェネレーション)、つまり第5世代の移動通信システムのことです。(※周波数の単位を示すGHz(ギガヘルツ)のGとは別物です)
第1世代から進化を遂げてきましたが、5Gの特徴は周波数の高さです。帯域幅が広いというのは広い道路をたくさんの車が走れるように、電波をたくさん使うこと。それにより超高速・大容量通信が実現します。(※電波=電磁波の一種)
さらにその強い電波がとぎれることなく受信できるよう、基地局が至る所に設置されれば、私たちが日常的に浴びる電波は、従来より桁違いに増えることが予測されます。
5Gは医療や運輸、防犯まで様々な産業で幅広く活用できる夢のような通信システムだと便利さばかり報道されますが、問題点についてはほとんど報じられていないのが現状です。
人体への影響は
人体に影響を及ぼさない電波の強さの指針「電波防護指針」に基づいているから安全だというのが国の方針です。
5Gはまだ一部のエリアでしか使えませんが、これから急速に拡大が見込まれます。被ばくの仕方がこれまでとは異なるので、より高い電波の指針値を策定する必要があり、今国が示している改定案では不十分であると上田さんは指摘します。
各国や自治体の対応は5Gの安全性についての検証が不十分であるとして、ヨーロッパでは5Gに反対する動きがあります。健康被害を否定しきれないものに対しては、国際基準より厳しい基準値を設け、予防的措置をとろうとするものです。
国内でも、環境基本計画に電磁波被害の未然防止を盛り込む、基地局設置にあたっては事業計画提出を要請する、意見書を国に提出した自治体などがあります。例えば鎌倉市では「基地局設置に関する基本条例」を制定しています。条例化で、住民への事前説明や合意手続きを制度化することができます。また通信会社へ情報開示を求めていくことも必要です。
子どもたちへの影響は
学校では、児童・生徒に1人1台パソコンのGIGAスクール構想が急展開で進められており、全国の自治体では、十分な議論をする間もなく、導入の波に乗らざるを得ないのが実情です。
子どもは「小さな大人」ではない、電磁波の影響を受けやすく、乳幼児には通信機器は無論、テレビも見せないのが望ましいと上田さん。でも現実は、1歳からスマホの動画など見せているのが23%という調査結果もあるといいます。ネット依存で生活サイクルが乱れる、また目への影響は顕著で、斜視になりやすいそうです。
スマホをポケットに入れていると精子が減少する、できるだけ直接耳につけずにイヤホンで(電子レンジを耳にあてているのと同じ電波だとか!)、そういったことはきちんと学校で教えるべきだと上田さんは強調されました。
とりわけ電磁波に過敏な「電磁波過敏症」の子どもたちへの配慮は必要です。電磁波の影響で心身に不調をきたし、登校できなくなることもあるといいます。フランスのように、アクセスポイントは、授業で使う時だけ電源を入れ、使い終わったら電源を切る、子どもから一定の距離を置くなどの対策が求められます。
私も機会をとらえて議会で発言してきましたが、電磁波の人体への影響に関しては、無関心でいられても、無関係ではいられない。問題ないと信じ切るのではなく、未解明な部分が多いという認識をもって、また過敏な人達への配慮をもって、予防対策を講じることが必要だと改めて思いました。そのための対策を市に求めてまいります。
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〇総務省作成パンフレット「電波と安全な暮らし」はこちら