これではまだ被害者は救われない~刑法改正試案を受けて~(11月のフワラー遊説より)
今月のフワラー遊説も、田無駅で西東京・生活者ネットの仲間とともに行いました(11月11日)。
刑法改正への試案が先月示されました。
日野市議会からは昨年、特に子どもを守る観点から意見書を提出しています。そこで要望した項目については、全体として前進は見受けられるものの、要件に曖昧な点や明確な規定として示されていないなど、十分とはいえません。
一例を挙げます。「性交同意年齢」とは性行為への同意を自ら判断できる年齢のことですが、現在は13歳以上です(13歳未満は同意の有無に関係なく罪に問われます)。性教育も受けていない13歳からは、あまりに低すぎると引き上げを求めていました。
試案では13歳以上16歳未満の場合、当該者が5歳以上年齢差があり、16歳未満の者の対応能力が不十分であることに乗じてわいせつな行為をした場合、罪を問えるようになりました。シンプルに13歳以上→16歳以上引き上げでよいではないかと思いますが、14歳同士の恋愛も罪を問われるのかといった議論を踏まえてのことです。年齢差要件は一定の理解はするものの、「5年齢差」というのが新たな壁にならないか懸念します。さらに「対応能力が不十分である」といった非常に曖昧な要件は必要ないと考えます。
被害者支援等の各団体からも、試案ではまだ救われない被害が多くあるとして「不同意性交」つまり同意のない性行為を罪に問えること—これが一番大切な根幹的なことです—をはじめ、更なる法改正を求める声があがっています。
これからも検討は続きますので、私たちは声をあげ続けていかねばなりません。
このような状況下、小金井ネットの安田けいこ市議の記事を読み、唖然としました。
「やれやれ、まったく男って・・・」と肩をすくめて終わらせるわけにはいきません。そもそも男性に対しても失礼ではないでしょうか。このような容認の積み重ねが、性犯罪加害者が適正に罰せられてこなかったことにもつながっていると考えます。
これに対してきちんと抗議した仲間を誇りに思います。しかし先方は、何が問題なのかがおわかりではないようです。何を考えるのかは自由ですが、このコラムを通じて市民に何を伝えたいのか、その影響については考えないのか、今後の展開を注視しています。
声をあげるということは、しんどいことでもあります。だから声をあげられなければ、声をあげる人を応援してください。または私たちに届けてください。
性暴力のみならずすべての暴力をなくすことを目指して、一緒に力をあわせていきましょう。
【関連サイト】
性犯罪の実態に合わせた刑法の規定改正へ試案 どう見直す? | NHK | 事件
※試案がわかりやすく解説されています
刑法改正市民プロジェクトが法制審議会宛に提出した声明
※被害者支援等12の市民団体から構成されたプロジェクトによる試案に対する要望です