今こそ、自治基本条例を!(12月議会一般質問①)

皆さんは、市が主催するイベントに参加したり、パブリックコメントに意見を送ったり、市と一緒に何かを企画をしたりしたことがありますか?
また、市に対してどのようなイメージをもっていらっしゃいますか?それはどのような体験からですか?さらに、市がどのような方向性を持ってまちづくりをすすめていると思われますか?

いきなり質問攻めで恐縮ですが、今回は、日野市が市民参加・参画・協働に対し、どのように考えているのか、その認識を問い直し、市と市民、議会が共有することで、真に市民が主役のまちづくりがすすむのではないかという視点で質問・提案しました。皆さんにも、ぜひ「じぶんごと」として一緒に考えていただければと思います。

そこに協議の余地はあるのか?

市が開催する説明会といえば、怒っている市民対行政というイメージがないでしょうか。それは一方的な説明であり、協議の場ではないからかもしれません。
あるいは全く人が集まらないこともあります(私を含め2名という時もありました)。設定に問題があったり、周知が十分でないことが考えられます。
こういったありがちな「市民vs.行政」といった対立の構図やすれ違いを変えていくには、どうしたらよいでしょう。
市には多数の計画や審議会等が存在し、それぞれに市民が参画する仕組みがあります。しかしながら、その全体像が見えません。それは市民に対して不親切であり、伝えようという意識が不足しているのではと指摘しました。

私たちのことを、私たち抜きで決めないで

Nothing about us, without us-障がい者運動のスローガンですが、当事者参加は市民自治の根幹だと考えます。
それはできあがったものに市民の意見を募るだけでなく、計画のはじめの段階から市民の声を聞いていくこと、カタチにしていくプロセスを共有するためには、対等な立場での対話の積み重ねが必要だと考えます。顔の見える関係を通してこそ、お互いの見方が変わり、職員の方々も市民目線で考える想像力や、多様な意見の合意形成をはかる調整力が身についていくのではないでしょうか。

自治体の憲法をつくろう

「自治基本条例」聞いたことありますか。自治体の憲法とも見えない条例とも言われています。北海道のニセコ町で2000年にはじめてつくられました。それまで大切に取り組んできた情報共有参加を軸に明文化し、ルールや認識を市と市民、議会が共有しようということで作られました。
以後、類似の条例が全国でつくられ、現在では約400の自治体でつくられています。もちろん条例を作ったら、その通りになるわけでありません。それぞれの役割を認識し、常にこれでいいのか問い続けることで、条例が活きています。うまくいかなかったり、迷ったときに立ち返る基盤になるのです。

日野市には「市民参加の推進に関する要綱」(1994年制定)があります。しかし残念ながら、お粗末だと指摘せざるを得ない内容です。いま様々な課題を抱えている日野市だからこそ、本気で「自治基本条例」をつくり、取り組んでいく覚悟が必要だと考えます。
市長からは、条例の必要性は認めながらも、どういう形がよいのか考えていきたいという答弁でした。

多様な意見から一致点を見出し、合意形成をはかっていくことは、手間がかかります。民主主義は正直めんどうくさいものですが、そのプロセスこそが、人を、まちを豊かにしていくのではないでしょうか。皆さんのお声をお聞かせください。

【関連サイト】
ニセコ町まちづくり基本条例

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★質問の録画はこちらからご覧いただけます。