こどもや若者の最善の利益を第一に~こども大綱の中間報告に注目!~

東京・生活者ネットワーク子ども部会主催の「こども大綱」の検討状況をテーマとした学習会に参加しました。(10月17日@東京ネット会議室)

学習会はハイブリッド形式で開催

国は昨年こども基本法を制定し、今年の4月より施行されています。それに基づき、現在これまで別々に作成・推進されていた「少子化社会対策大綱」、「子供・若者育成支援推進大綱」及び「子供の貧困対策に関する大綱」を一つに束ね、こども施策に関する基本的な方針を一元化する「こども大綱」を年内を目途に策定予定です。
講師はこども家庭庁企画調整係長の堀越優行さん。この週末はこども・若者・大人の声を聞くオンライン公聴会で休みもなかったようです。ご多忙の中、時間をつくっていただき感謝いたします。

パブリックコメントも2万件以上集まっているとのことで、いただいた声をこどもや若者の最善の利益という視点で、どう政策に反映させていくかが勝負!と熱く語られる姿が印象的でした。もちろん全てを反映できるわけではありませんから、その場合はできない理由も求められます。それも含めてノウハウのお手本にならねばという使命感と気概を感じました。
当日はこちらの資料に沿って、説明がありました。本文はこちらです。
その中から、こども施策に関する基本的な方針を抜粋します。

(1)こども・若者を権利の主体として認識し、その多様な人格・個性を尊重し、権利を保障し、こども・若者の今と これからの最善の利益を図る

(2)こどもや若者、子育て当事者の視点を尊重し、その意見を聴き、対話しながら、ともに考えていく

(3)こどもや若者、子育て当事者のライフステージに応じて切れ目なく対応し、十分に支援する

(4)良好な成育環境を確保し、貧困と格差の解消を図り、全てのこども・若者が幸せな状態で成⾧できるようにする

(5)若い世代の生活の基盤の安定を図るとともに、多様な価値観・考え方を大前提として若い世代の視点に立って結婚、 子育てに関する希望の形成と実現を阻む隘路の打破に取り組む

(6)施策の総合性を確保するとともに、関係省庁、地方自治体、民間団体等との連携を重視する

※注:(5)文中の「隘路(あいろ)」とは狭くて険しい道のこと

(2)の「ともに考えていく」が重要です。当事者抜きに、当事者のためになる施策はつくれませんよね。それがなくては、上から目線の押し付けに終わってしまいかねません。
「こども大綱」中間整理が公表され、現在パブリックコメントを募集しています。締め切りは22日、あと2日しかありません。ぜひこども・若者・大人、皆さんの声を寄せてください。
こども大綱は「全て」を盛り込むいわば総花的なものです。だからこそ、ひと言でも盛り込めるか否かが重要です。意見を寄せることで、その後どういった回答なのか、その先のウォッチにつながります。だからパブリックコメントに参加することは大切だと考えます。

参加者からの質問は、こども基本法に明記されなかったコミッショナーについて、インクルーシブ教育(システムではない)や包括的性教育の必要性など、多岐に渡りました。文科省との調整も求められます。
こども家庭庁は「こどもまんなか社会」を実現する司令塔機能を持っているはず。他の省庁に対し、勧告もできる立場です。勧告以前の通知であっても、その後のフォローは必須です。
その力を存分に発揮されるよう、そしてこの大綱がこれからの各自治体における子ども施策につながるよう、私たちもチェックを続け、取り組んでいきます。

右より、狛江ネットの小木市議、東京ネットの山内共同代表、稲城ネットの村上市議(こども部長)、講師の堀越さん、東村山の白石市議、杉並ネットのそね区議、白井、江古川ネットの本西区議