市は公立幼稚園をどうしようとしているのか(6月議会一般質問 ①)

6月議会では1問目に幼児教育について、特に日野市らしい幼児教育の要となる公立幼稚園について問いました。

●今起きていること
個性豊かな子ども達を受け入れ、共に育ち合う環境を大切にしている公立幼稚園が、園児減少を理由にいま消えゆこうとしています。かつて7園あった公立幼稚園は現在では3園に、そのうち第四幼稚園の閉園計画が発表されています。
第四幼稚園がなくなるとこのエリアは幼児教育施設がなくなってしまうこと、また公立と違い、私立では手がかかるお子さんは態勢が整わないとして受け入れてもらえないケースもあるようで、地域からは存続を求める声が根強くあります。
多摩地域で公立幼稚園が残るのは日野市だけです。この公立幼稚園こそ日野市らしい幼児教育の要であり、「センター的役割」を果たしてきました。しかし残り2園についても、維持する方向性を取り下げ、これから検討していくと担当部長より答弁がありました。このような進め方はおかしいと思います。

●幼児期に大切にしたいこと
幼児期は、五感で感じる遊びこそが大切な学びであるといわれています。また多様な子どもが共に育ちあう環境を整えることは、目指すべき「共生社会」の担い手育むことにつながります。これは保護者も含め、子どもに関わる人すべてが、深く理解すべきことです。
しかし現実は、小学校で困らないようにと、準備のための先取り教育をすすめる傾向になっていないでしょうか。
受け入れる小学校側にも、幼児教育への理解と子どもが小学校生活に馴染めず困ることのないよう、環境整備を求めました。

●先が見えない中で閉園しないで
市は公立・私立・幼稚園・保育園問わず、小学校との円滑な連携を進めていこうとしており、それ自体はよいことです。しかし、その中でどのように公立幼稚園が「センター的役割」を果たしていくのか、まずは具体的なビジョンを示し、仕組みとして整えるのが先だと思います。
閉園はそれに代わる支援策とセットで示すということですが、保護者との合意形成はまだ道半ばです。子どもが生まれたら、どこに通わせようかと、保護者は色々と考え心づもりしています。子どもの育ちの環境を考えると、閉園する際には発表から実施まで少なくとも5年間はおくべきと考えます。
閉園によって「誰ひとり取り残さない」と約束してほしいと教育長に問うと、その言葉は使わない、個に応じた支援をするという答弁でした。そうであるならば、個に応じた支援が行き届く環境が整えてから、閉園すべきです。

今後の動向を引き続き、注意深く見守っていきます。

★動画はこちらからご視聴いただけます。

 

 

【関連リンク】

学校適正規模・適正配置|日野市公式ホームページ (hino.lg.jp)
※第四幼稚園の閉園検討過程はこちらから

日野市幼児教育・保育の在り方検討委員会|日野市公式ホームページ (hino.lg.jp)
※適正配置等検討委員会の答申を受けて開催された検討委員会
★質問でとりあげた「共生社会の担い手を育む」基調講演の資料はこちらです。

【関連記事】

行き場のない子がいないように(12月議会請願より)  | 白井なおこ (seikatsusha.me)