差別をなくすことは有利にすることではない(2月のフラワー遊説より)

性暴力根絶を訴えるフラワー遊説、今月はイオンモール多摩平の森前で行いました(2月11日)。

外務省のCEDAWへの拠出金除外について、話しました。こちらの報告をご参照ください。
これまで、女性差別撤廃委員会の数々の勧告により、日本のジェンダー平等施策は推進してきました。フラワー遊説のテーマである性犯罪の刑法改正もそのひとつです。
声をあげられない、またかき消されてきた被害者や当事者の声を受け止め、国際的な人権基準の観点で締約国に是正を求めるのが、同委員会の勧告です。真摯に受け止め、取り組んでいくことが、締約国の役割だと考えます。

大阪の性暴力ワンストップ支援センターSACHICO存続の危機について話す八王子ネット金子アキコ市議

これについて話をしているとき、近くにいた仲間が、通りすがりの男性が一緒にいた女性に話している声を聞いたそうです。内容としては「女性を有利にしてほしいと声高に主張するのはいかがなものか。男性もDVを受けている。」というものだったそうです。その女性がどのように答えたかはわかりません。ただ「有利にしてほしい」と受け止められていたら、とても残念に感じます。

男性からのDV相談も増加していることは知っています。男性も性暴力の被害者となることも、これまでも話してきました。女性だけが被害者だと言っているわけではありません。
私たちが目指すのはジェンダー平等社会であり、それは、性別にかかわらず、互いを認め合い、尊重しあう社会です。

しかし現実は、あらゆる社会構造の中に女性差別が内包されています。それを是正することは、女性を有利にすることとは違います。よく「踏みつけている足をどかしてほしいだけ」と表現されます。踏みつけているほうは、それに気がついていないのが問題なのであり、それが「アンコンシャス・バイアス」だと私は理解しています。「無意識の偏見や思い込み」など訳されていますが、実はもっと奥深いものであり、そしてまた誰にでもあるものです。
だからこそ問い続け、意識を変えていくことに加え、アンコンシャス・バイアスが作用しないよう、社会のしくみや制度を変えていくことが必要です。

日野市では3月8日に「女性活躍推進シンポジウム」を開催します。(詳細はこちら
「男性だって活躍できていないよ」という声が聞こえてきそうですが、まずは参加してみませんか。短編映画「アンコン~夫婦あるある物語」の上映や、エッセイスト小島慶子さんの講演会やパネルディスカッションもあるようです。何が必要なのか、一緒に考えていきましょう。