2025年度予算より なおこ目線のトピックス

一般会計の予算規模は、約780億円と過去最大を更新しました。市税収入は過去最高額となりますが、歳入全体に占める市税収入の割合は41.3%と前年度より0.5ポイント低下、また、歳入には積み立てた基金(貯金)からの繰入金や市債(市の借金)も含まれています。

日野市が財源不足の危機感より、市政上3度目となる財政非常事態宣言を発したのは2020年。2021年度から2025年度の5年間を財政再建期間と位置づけ取り組んできた最後の年度の予算となります。
市長改選にあたり、新市長による新たな政策実現の事業予算への配慮として、予備費を4億円(前年度6,000万円)に増額していることも特徴です。予算関連資料のリンクは下にはってありますので、ご参照ください。

現在は、全議員が一般会計と特別会計に半々に分かれます。今回、私は特別会計でした。なお、現在進行中の議会改革で、今年9月の2024年度決算審議より、全議員での審議に変更の予定です。
また、ペーパレス化により、分厚い予算書もデータ配布のみとなりました。何となく寂しい気持ちもありますが、便利な面もありますので、使いこなせるよう頑張ります。

【一般会計より】
●みどりの保全
昨秋、市内緑地で落ちてきた枝により尊い命が失われるという、大変痛ましい事故が起きてしまいました。その他にも、倒木によるフェンスや車などへの物的損害の事故が頻繁に報告されます。すでに対応のため伐採等の補正予算は執行されてきましたが、新年度予算でも樹木緊急点検・剪定等業務経費として1.5億円が新規に計上されています。
一方で、樹木を必要以上に切りすぎではないかといった声も、先日傍聴した日野市環境審議会の委員からあがっていました。私も落枝事故を受けての補正予算の際に、原因の究明とともに、日野市においてどのように樹木管理を行っていくかの指針や条例も必要ではないか、新たな緑の管理のあり方を求めています。
安全第一は言うまでもありませんが、都市の重要なインフラとして、樹木の価値を最大限活かしながら共生していける道を、皆さんと考えていきたいです。
●平和活動推進補助金事業の休止
2021年度から始まった、市民による「平和」をテーマとした主体的な文化芸術活動・学習活動を支援する補助金事業が、見直しのためいったん休止となりました。市民の主体的な活動の後押しとして、日野ネットも求めてきただけに残念です。
とはいえ、担当課の説明にあったように、対象とする間口が広く、平和活動の推進という目的にかなっているのかという観点から、曖昧さがあったのは事実だと思います。
ただ、今年は戦後80年という節目の年です。テーマを絞り、呼びかけに工夫を重ねるなどして継続してほしかったです。足元から平和について考え取り組んでいく、そのような市民活動を応援する事業として復活できるよう、提案につなげていきたいと思います。
●登校支援策
いわゆる不登校支援対策経費は減額となっています。これは東京都の別室登校支援に対する補助金が2年間で終了するためです。3年目となる学校に対しては、別の形で補填しながら継続されます。児童生徒が教室以外の別室で過ごすことができる環境整備やエデュケーション・アシスタントの導入など、教員や児童をサポートする体制については一定の評価はします。
その上で、実際の運用状況学校間格差が生じていないか、さらに通いたくなる学校づくり学校に通うこと自体が困難な子どもたちへの支援についても注視を続け、求めていきます。

【特別会計より】
●国民健康保険
第3期日野市国民健康保険データヘルス計画をもとに、質問しました。これまで特定検診に眼底検査(失明にもつながる緑内障のみならず様々な病気の早期発見につながる)の追加を求めてきており、協議中のはずでしたが、この計画からは消えています。質問すると、眼科医と内科医の連携など実施には課題が多く、見送った旨説明がありました。残念です。せめて市民に対し、歯科同様に、定期的な眼科検診を促す啓発を求めました。
また、年齢階層別医療費のデータからは、働きざかりの世代で精神的な疾患が多いことがわかります。健康課と連携し、メンタルケア事業の充実を求めました。

加えて昨今、医療費抑制のためジェネリック医薬品が推奨されています。昨秋からは、ジェネリック医薬品がある先発医薬品を選択すると、特別な料金を上乗せで支払うことになりました。しかし、アレルギーなど体質で医療上の必要性があれば、特別な料金はかかりません。市民、医師、薬剤師ともに、この情報を徹底周知することを求めました。詳細は厚労省のチラシをご参照ください。

●介護保険
2017年度から7年間実施してきた「介護人材就労促進業務」委託料(昨年度当初予算は約300万円)がなくなりました。これは、介護の仕事に関心のある者を対象に総合事業(生活援助型)のサービス (調理・掃除等)を提供できる日野市独自の資格を取得できる介護人材育成を目的とした研修です。受講者はこの間減ったり増えたりでしたが、2024年度はついに受講者は6名、雇用につながったのは1名という結果を受けて、事業見直しのため、休止とするという説明でした。(ちなみに介護保険運営協議会での資料はこちらです)

一旦立ち止まって見直すこと自体は否定しません。しかし、これまで事業者ニーズとのミスマッチや雇用につながったひとの継続性など疑問を呈しながらも、将来的な介護人材の育成につなげるためと賛成してきた立場としては、説明が安直に感じ納得できず、見直しの方向性も感じることが出来ませんでした。
これまでトータルで68名が雇用につながっています。また、すぐに就労に結びつかなくても、研修で受けたことを活かしている方もいるかと思います。費用対効果をどのように検証するかです。
生活援助に対するニーズは確実にあります。一番大切なのは必要なニーズに対し、必要とされる支援が届くことです。
市は新たな地域の助け合い事業として、互近助サービスちょこすけを立ち上げています。そことのマッチングや研修などのフォローに課題や可能性はないかなど含めた見直しを求めました。
(両予算案に賛成)

【2025年度予算資料】
令和7年度 一般会計予算|日野市公式ホームページ
令和7年度 特別会計予算|日野市公式ホームページ
令和7年度当初予算編成方針|日野市公式ホームページ
※予算を編成するにあたっての方針が前年に示されています