新市長の教育に対する考えを問う(6月議会一般質問②)

新市長は議員時代に、教育に関する数々の一般質問をされています。一例をあげると「学力テストの結果を活用し日野市の教育力の底上げを!」「教科書採択の現状と今後について」「武道教育と神話教育の充実を」「学校教育現場の日本地図について」などです。
教育については日野ネットもたびたび質問をしていますが、インクルーシブ教育、シティズンシップ教育、包括的性教育など、角度は大きく異なります。そこで新市長の教育に対する考えを確認しておくため、3点に絞り、質問をしました。

市長への質問であっても、先に担当部長が市の方針や施策について答弁してから、市長の答弁となります。

Q1 日野市の教育、子ども施策で大切にしたいこと
部長からは、4月に改訂された「日野市総合教育大綱」に基づき、日野の学びと育ちを総合的に推進していくということで、市長も、大綱を大切に具体的な課題に取り組んでいく、とのことでした。
大綱は簡潔ながらもすべての要素が盛り込まれており、特に改定前にはなかった「すべての子どもの権利の保障」という文言がはいったことは評価すべきことです。
市長ご自身の考えを伺いたかったのですが、そこは控えられたように受け止めました。

Q2 教育長を選任するにあたり、重要視していること
部長は教育行政に識見を有するといった一般論を述べましたが、市長は加えて日野市という地域特性を理解しリーダーシップとコミュニケーション力のある方をとのことでした。
前教育長は文科省から派遣の非常にエリートでスマートな教育長でした。「地域特性を理解し」ということは、市内で勤務経験がおありの方だろうかなど想像します。時期については語られませんでしたが、不在期間は長くないほうが好ましいのは言うまでもありません。
教育委員会改革(例えば委員の公募枠など)にも取り組んでくださるような方を期待します。

Q3 人権を軸とした包括的性教育について、日野市としてこれから取り組めること
教育委員会からは、学習指導要領に基づき、「生命(いのち)の安全教育」等をすすめていくといういつもの答弁でした。市長は、必要性は認識している一方で、慎重な議論が必要と考えるので、教育委員会と協力し地域の実情とあった形で模索をしていきたいとのことでした。
新市長は国が推奨する「プレコンセプションケア」(妊娠前からのヘルスケア)については、別の一般質問で必要な「健康管理」として推進していく旨答弁しています。
一方で、包括的性教育には「慎重な議論が必要」とは、がっかりです。

先の3月議会でも「子ども間の性暴力」をテーマに、包括的性教育の必要性を訴えたところですが、包括的性教育とは、ジェンダー平等や性の多様性、自己決定能力などを含む人権を基本とした性教育のことです。
「プレコンセプションケア」として抜き出して進めるのは、妊娠への圧力にもつながりかねません。子ども達にとっては、ないよりは進んだ方がいいとして反対はしませんが、それで「やってます」と置き換わるのは、根幹的な考え方が違います。この点は大切です。

これから新市長にも理解を深めていただくよう、取り組んでいきます。

★一般質問の動画はこちらからご覧いただけます

【関連報告】
子ども間の性暴力をなくすための体制と教育を(3月議会一般質問①) | 白井なおこ