農地はコモン!公共の財として保全をすすめよ(6月議会一般質問③)
このたびの米騒動で、農政に注目が集まりました。一過性のものとせず、未来を見据えた抜本的な改革へとつなげていかねばなりません。遠い農村地の話として切り離すのではなく、自分たちの問題として取り組む必要があります。昨年11月から受講した「農あるまちづくり講座in日野市」(全10回)での学びを活かし、身近に市民が農とつながり続ける環境を求め、質問・提案しました。
★下のチラシ画像をクリックすると、JA東京みなみHPの講座報告にとびます。ぜひご参照ください。
農地の減少を食い止めるには
私が子どもの頃は、高幡不動駅周辺にも水田がありました。この10年間でも、市内の農地は28%、水田は41%減少しています(※)2033年には農地はさらに37%の減少が推計されています。
※農林水産省面積調査2010年~2020年
相続が発生すると、地主さんはやむを得ず農地を手放さざるを得ない状況に追い込まれます。相続に関する法律を、農地を残しやすいよう変えていく必要があります。また担い手のいない農地を借り受け、新規就農や市民の農的な活動につなげる取り組みをいま加速していかなければ、農地を農地として残すことができません。

市内に残る貴重な田んぼ5月の様子 カモが気持ちよさそうに泳いでいました
農地の公有地化をすすめよ
市内では数々の市民による農的な活動が展開されています。中には年間3,700名ものひとが訪れるコミュニティガーデン(交流農園)もあります。そこは利用者同士が協力しあって運営していく自治、そして誰にでも開かれた高い公共性があると、訪れるたびに感じています。そして何より交流、教育、福祉、資源循環、減災とまさに都市農地の多面的機能を発揮しています。
しかしながら、所有者の変更(相続)により先の見通しが立たない状況です。そこで築かれたつながりと農地を保全し、まちの魅力として発信していくためにも、公有地化する価値は十分あると考えます。

一般質問の後、約半分は継続して利用できるようになったと聞きました。よかったですね!
これまで緑地については、市は買取や寄付により公有地化をすすめてきました。しかし、農地については実績がありません。日野市は第4次日野市農業振興計画ではじめて「農地の公有地化の検討」を盛り込みました。それは大きな一歩として評価します。
東京都にはそれを応援する様々な制度がありますから、他市の事例も参考にしながら、積極的に活用し、農地の公有地化、また公園内に農業公園を開設することなど、農地保全のための具体的な施策とロードマップを求めました。
★質問に先立ち、調布市にある「深大寺・佐須地域南農業公園」を視察しました。この深大寺・佐須地域一帯は「農の風景育成地区」(東京都の制度)に指定されています。詳細はこちらをご覧ください。
新副市長(元都市農業担当部長)に見解を問うと、「農地を確実に残せる方法のひとつとして公有地化を計画に盛り込んだ。どこをどのような理由で残すか、市民の意見を聞きながら、検討していきたい」とのことでした。農地減少への危機感を十二分にご認識の方ですので、具体的な推進体制を求めました。
また市長からは「市民の農的な活動は、地域の持続可能性を高める意義深いものと認識している」「公有地化についてはまずは課題整理を」「農業公園については関係者と議論が必要」といった答弁を得ました。
公約の優先政策3本柱の中に「水と緑の整備計画を市民とともに策定」を掲げていらしたので、市民と共にまちづくりを進めていく、今後の展開に期待します。

3月末には農業者が所得補償を求める大型のデモ「令和の百姓一揆」に市民とともに参加
★一般質問の動画はこちらからご覧いただけます