ジェンダー目線でみる参議院議員選挙2025

17日間の選挙期間もラスト1週間となった参議院議員選挙。課題は山積、どれも重要ですが、一般的に票にならないと言われるジェンダー政策の視点から、その重要性に注目してほしいという願いと危機感を込め、考えを記します。
国政選挙では各政党の第一声が注目されますが、今回の参議院議員選挙ではとりわけ参政党党首の発言が物議をかもしています。内容については、こちらに全文が紹介されています。
発言そのもの、またその根底にあるとみられる差別、分断、排除といった考え方に対し、抗議の声があがっています。私も看過できず、意思表示のスタンディングに参加しました。(7月12日@吉祥寺駅前)

現地で生活者ネットの仲間とも合流(左より)武蔵野ネット西園寺みきこ市議、小金井ネット安田けいこ市議

少子化対策として、子どもを産めるのは若い女性しかいないから、働いてもいいけれど働かなくてもいいように月10万円の教育給付金を配布するという政策をあげています。
それを語るうえで、「申し訳ないけど、高齢の女性は子どもが産めない」という発言は不要です。
生産性というモノサシで、すなわち女性を「子どもを産むモノ」としてみていると受け止めざるを得ません。それが「#女の価値を産む産まないで決めるな」という怒りのハッシュタグにつながっているのだと思います。かつて「LGBTは生産性がない」と発言した政治家がいましたが、そこにもつながります。

安心して出産・子育てができる環境を整えること自体に異論はありません。
一見選択できる自由を保障しているように聞こえますが、「大学や高校を出たら働いてもいい」(どこから目線なのか)「(月10万円は)パートに出るよりも、事務でアルバイトするよりもいい」(子どもを産んだらパートやアルバイトなのか)といった発言の端々から感じ取れるのは、昭和の時代の男性稼ぎ主型モデルです。それが「今まで間違えたんですよ、男女共同参画とか。」という発言に表れています。

日本は今でもジェンダー平等後進国です(ジェンダーギャップ指数2025 118位/148カ国)。これは世界的にみて、日本の男女共同参画のすすめ方が「間違い」どころか「不十分」だという通知表です。
だからこそ、ジェンダーギャップを解消するための政策国連女性差別撤廃委員会からの勧告に応えるような政策を打ち出し、ジェンダー平等を実現していかなければなりません。

ゆえに少子化を問題として語るのであれば、女性の問題としてではなく、人権を軸としたジェンダーの問題であるという立ち位置に立つことがスタートラインと考えます。しかしながら、男女共同参画を否定したうえで、選択的夫婦別姓とかLGBTとかの政策にもノーというようですから、土台がずれています。

以前、「オーガニックとか食の安全とか、市民の政治参加とか、参政党は生活者ネットと同じ方向性だよね!」と言われたことがありました。違います。政策はキーワードだけでなく全体を、根底にある考え方を、目的達成のためにどのような施策を掲げているのかをみてほしいです。
ぜひこちらの生活者ネットワークのよびかけをみて、その違いをご理解いただきたいと思います。

人と人、モノと人、市民と行政、分断された社会をつないでいきましょう。
あきらめずに、考え、行動しましょう。
まず「私から」。

【関連報告】
あなたの選択が国を変える。7/20 参議院議員選挙スタート! | 白井なおこ

【関連サイト】
2025参院選 政党公開質問 | 全国フェミニスト議員連盟
※男女平等政策に特化したアンケートです