ちりも積もれば8万本 給食牛乳の廃棄をなくしていこう!(9月議会一般質問①)

10月は「食品ロス削減月間」、10月30日は「食品ロス削減の日」です。
3年前、多摩市では年換算で約13万本の牛乳が手つかずで廃棄されていることを知り、衝撃を受けました。日野市においても、約8万本という推計データを担当課より得ています。もちろん牛乳は給食残渣の一部ですが、ほぼ毎日のようにでます。廃棄の観点だけでなく、牛乳が苦手な子どもたちにとっての心理的負担も気になります。
そこで今回は学校給食の牛乳に焦点をあて、廃棄ゼロへの道のりの一歩となるよう、質問・提案しました。


選択制という方法

多摩市では「飲用牛乳停止届」を提出すれば、提供が止められます。これは食品ロス削減児童生徒の気持ちの観点より、医師の診断がなくとも提供を止めるようにしてほしいという請願が教育委員会で採択され、変わりました。いわゆる「選択制」です。

これについて見解を問うと、教育委員会として検討は考えていない、年間8万本は学校1校あたり1日17本程度だから、極端に多い廃棄量ではないという見解を示しました。
であるならば、逆に少し工夫すれば、廃棄をなくすことができるのではないでしょうか。

コップ形式を広めて

廃棄を減らす取り組み事例を問うと、「牛乳1本すべてを飲みきれない児童生徒については、家庭から持参したコップに飲める分だけを注ぎ、残った分を他の児童生徒のおかわり分としている工夫をしている学校があることがわかりました。これは私たちの話し合いの中ででもでたアイデアです。すでに実践している学校があると知り、素晴らしいと感じました。

一方で、給食の割烹着は各家庭で洗濯をして共有しているため、時に柔軟剤の香りで気分が悪くなる子どもがいます。柔軟剤を使用しないよう協力を求める呼びかけや、割烹着の予備を借りたり、持参を許可するよう求めてきました。対応は学校によってまちまちのようでしたが、全体化をすすめているというお話を、ちょうどこの質問のやり取りの中で伺い、望ましく感じました。
同じように、全体化によって救われる子どもがいるわけですから、コップ形式も広めてほしいと要望しました。

子ども達が考えて解決を

この夏に、給食メニューをつくって食べながら、子どもたちの声を聴く企画をしました。その際に、子ども達より給食を食べる環境やおかわりのルールなど、不満の声がありました。先生に言っても変わらないから、とあきらめている様子をとても残念に感じたものです。

スウェーデンでは「給食協議会」なるものがあり、毎学期に2~3回の頻度で開催し、献立に限らず、食堂の環境やルール、名称の決定や改善のための提言、意見箱などについて話し合われるそうです。それぞれの提案が実現することにより、改善への意欲が進みます。
日野市でも「給食委員会」がありますから、子ども達が話し合い、みんなで決めていくことができればよいですね。ロスの削減や楽しく食事をすることも含めた食育、日野市ならではの取り組みとして、次期食育推進計画にも位置付けてほしいと求めました。

 

教育長からは、子ども達が普段飲む飲み物のアンケート結果(お茶、炭酸、ジュースなど)を引用され、選択制にしたらますます牛乳は飲まれなくなるのでは、嫌だから飲まないではなく、少しでも「飲めた!」というのも食育と考えるので、コップ方式はいいね!と力強くご賛同いただきました。

この質問を機に、各学校で工夫が広まり、それを共有しあいながら、残渣が減っていくことを期待したいと思います。

【関連リンク】
学校給食における食品ロス削減に関する調査研究報告書
第4期日野市食育推進計画

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(➡給食協議会について)