公文書管理条例の制定を!(12月議会一般質問①)

日野市では元副市長問題を教訓に、コンプライアンス(法令順守)の強化等、様々な再発防止策が図られています。文書事務改革もそのひとつです。それを前進させるためにも、公文書管理条例の制定を求めました。
「公文書等の管理に関する法律」は2011年に施行されています。

第1条 この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。(太字は白井によるもの)

法の目的を達成するために、地方公共団体は条例として定める必要があると専門家は指摘します。しかし、条例を設置している自治体はまだ多くはなく、26市だと八王子市と小平市のみです。
日野市は文書管理規則に基づき運用していますが、目的にあるのはあくまで「事務の能率的運営」で、法の目的と照らして十分ではないと考えます。
ないものは公開できませんから、情報公開と公文書管理は車の両輪です。日野市には情報公開条例はありますが、公文書管理は文書管理「規則」のままです。市民に対し、同じ約束ごとの中で運用されてしかるべきではないでしょうか。


文書管理規則では1年・3年・5年・10年・永年と保存区分がわかれています。30年保存という区分を設けている自治体もありますが、それがないため、紙や電子データが年々増加している状況です。ちなみに電子化は進められ(電子80%、紙10%、併用10%)、それにより検索や引継ぎが容易になり、事務の効率化が進んでいるとのことです。また、データは来年度より国内2か所で保管され、バックアップ体制が図られていることを確認しました。
歴史的公文書についての基準や規定もありません。つまり10年を超えた公文書が一緒くたに永年保存されているのが現状です。この点は、市も課題として認識しており、来年度より関係部署で協議を開始するとのことでした。

日野市には誇るべき市政図書室があります。本来であれば、ここが公文書館的な機能を発揮できるのが理想ですが、現在ではその仕組みがありません。また、今後の公共施設の再編計画の中で、郷土資料館の機能をどのように充実させていくのか。つまるところ、公文書管理のあり方全体のビジョンが求められています。
さらに、ホームページの運用も含め、情報は市民の財産であることを見える化していくことで、市民から信頼される開かれた市政になると考えます。

市長からは「公文書は市民の、組織の財産。100年後の市民が見ても確認できる状況を」という言葉がありました。それを具現化するためにも条例制定に踏み切ってほしいです。
適正な公文書管理は、職員を守ることにもつながります。そして何より市民が情報を使いこなし、市民自治が広がることで、豊かなまちづくりにもつながると考えます。
条例づくりを通し、その環境整備をこれからも求め続けていきます。

★動画はこちらからご覧いただけます。

【関連リンク】
日野市文書目録|日野市公式ホームページ
市が収受・作成し、保有している公文書の標題や保存期間等の情報を掲載しています。
市の保有する公文書について情報公開の請求をする際の参考としてください。