12月議会報告その1~農のある日野の、豊かなまちづくりを!~

今回は市民の方とともに質問をつくるワークショップをはじめて試みました。参加者が農業、観光、教育、居場所等に関心を寄せていたことから、自然と「農のある魅力ある暮らし、まち」にテーマが集約されていきました。

 都市農業を取り巻く環境は、非常に厳しいものです。日野市には約145ヘクタール(2017年・東京ドーム31個分)の農地がありますが、9年前と比較するとドーム11個分の農地が宅地化されています。莫大な相続税を支払うため、また後継者がいないなどの理由から、農家の方々は、やむを得ず農地を手放されてきたのが現状です。

 しかし、2022年問題(※1)を目前に「特定生産緑地制度」(※2)が制定され、さらに「都市農地賃借円滑化法」(※3)によって、生産緑地においても貸し借りができるようになり、また「田園住居地域」(※4)という新しい用途地域もできました。こういった背景には、都市農地が農作物の供給のみならず、防災やコミュニティの拠点といった観点から、その価値と必要性が見直されてきた経緯があります。これらの法改正を追い風に、今こそ「農」をまちづくりの柱のひとつにすえ、そのビジョンを市民が共有し、市が施策を展開することで、持続可能で豊かなまちづくりができるのではと考えました。

折しも「日野市まちづくりマスタープラン」が15年ぶりに改定の時期を迎えています。そこで都市計画と都市農業の部署より、それぞれ方向性を確認しました。双方とも「農地保全」を目指すことは一致しています。より一層の連携を求め、更に後押しとなるよう、以下のような要望・提案をしました。

 〇農地保全のため、横浜市の「みどり税」のような仕組みも視野に入れ、検討すること

〇日野市の学校給食は、地元農産物利用率が平均25%と素晴らしいが、利用率が低いエリアへの運搬システムの工夫

〇子ども達への農教育の充実と、保護者や地域の方々も巻き込んだ展開

〇農地を貸したい人と借りたい人をつなぐ農地バンクのような仕組みの確立と周知

〇農業者による農業体験農園とともに、NPO等による市民農園開設の拡充

〇市民の声を活かせるよう「農ある暮らしづくり協議会」による提案を施策展開に取り入れる

〇マスタープラン改訂版発刊に合わせて、日野市の魅力(主な施策やまちづくりの方向性等)を凝縮したリーフレットを作成し、全戸配布する

〇農地ウォークやイベントの充実、農産物マップや日野産野菜を使った飲食店ガイドなど

 市長からは「こういう形でやり取りができるのはうれしい。日野市のこれまでの努力を踏まえて法改正をどう活かすか、これを逃したらチャンスはないくらいの覚悟で取り組んでいく」という力強いご答弁をいただきました。全国に先駆け「農業基本条例」を制定した日野市として存分に力を発揮できるよう、私たちもともに頑張ります!

※1 2022年問題
一定の条件を満たした農地が生産緑地に指定されると、税制において優遇があるが、指定から30年という期限がある。多くの人が2022年に指定解除を迎えるため、一斉に宅地化されることが懸念、問題視されている。

※2 特定生産緑地制度
生産緑地法の一部改正により、生産緑地の指定解除を迎える前に所有者等の申請により、10年毎に期限を延長できる制度で、今年4月に施行された。

※3 都市農地賃借円滑化法
今年9月に施行されたもので、これにより、生産緑地においても円滑に農地の賃借ができるようになった。

※4 田園住居地域
今年、都市計画法の改正により、農地と住宅が共存できることを目的に、新たな用途地域として追加された。

農を通し多世代がつながる居場所となっているコミュニティガーデン「せせらぎ農園」では、回収した生ごみをたい肥にし、豊かな土壌と人間関係を育んでいる

★質問内でも紹介したコミュニティガーデン「せせらぎ農園」を訪れた際のレポートはこちらです。
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