6月議会報告その2~避難所マニュアルにスフィア基準を!~

災害はいつ起きるかわかりません。自らが被災者になることも、被災者を支援する立場になることもあります。
日野市では指定避難所である小学校を中心に地域防災会が結成されていますが、まだ未結成のところもあります。その結成のきっかけづくりともなるよう、市では今年度「避難所開設キット」を試験的に導入する予定です。このキットがあれば、誰でも避難所を開設できるよう、マニュアルや標示看板などがセットになったものです。

一方、国内では過去の災害において、避難所の質が国際的な難民支援基準を下回ると指摘されています。その質の向上において、内閣府が参考にするように紹介しているのが「スフィア基準」です。「スフィア」とは「球体」つまり地球上のどこでも通用するという意味で、国際的な人道支援の最低基準、つまり被災者が尊厳ある生活を送るために必要とされる基準がハンドブックにまとめられています。

  「スフィア基準」といえば、分かりやすいひとつの基準がトイレの数です。避難所のトイレの数は20人に1基、その割合は女性3:男性1、といった数値ばかり着目されがちですが、大切なのは「被災者の人権を守る」という理念です。国際的な最低基準を知り、現実とのギャップを把握し、それに近づくための努力をすることが、避難所の質の向上にもつながります。市の地域防災計画や避難所の運営マニュアルに「スフィア基準」の理念を取り入れてもらえるよう、まずは多くの人に知ってもらい、話し合ってもらう仕組みを要望しました。

市長からは「スフィア基準を適用して避難所運営の充実をはかることが災害対策として重要、しっかりと取り組んでいきたい。」と答弁がありました。

※議会の動画はこちらです。