液体ミルク、上手に活用していきましょう!

今年三月から、調整液状乳、通称「乳児用液体ミルク」(以下、液体ミルク)の販売が開始されました。値段は紙パック(125ml)、スチール缶(240ml)ともに200円代前半、粉ミルクよりかなりの割高ではありますが、すでにメーカーの予想の2~3倍の売り上げを記録しているといいます。ドラッグストアやベビー用品店、またはネットで購入できます。

スチール缶(232円)

紙パック(216円)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

粉ミルクは殺菌されておらず少なくとも70℃のお湯で殺菌が必要です。しかし液体ミルクは常温で保存できる殺菌済み製品なので、消毒した哺乳瓶に注ぐだけでそのまま飲ませられます。夜中や外出時の授乳など、粉ミルクを作るのが困難な時に重宝します。

日野市では、災害用に粉ミルクは備蓄していますが、液体ミルクは賞味期限が短い(紙パックで半年、缶で1年)ため、備蓄しない方針です。一方東京都では、イオン株式会社と災害時における液体ミルクの調達について協定を結んでいます。乳児のいるご家庭では、災害用に回転備蓄で備えておかれることをおすすめいたします。

厚労省担当課の方による学習会に参加した際には、製品化されるまでの経緯、製造工程など学び、「開封後は速やかに飲むこと、飲み残しは廃棄すること」「缶や紙パックなどから赤ちゃん直接飲ませられないため、災害用には衛生的な哺乳器具(滅菌された使い捨てスプーンなど)もセットで備えておくこと」といった諸注意を受けました。

しかし災害時に役立つのは、何と言っても、そのまま飲ませることができる哺乳瓶型です。日本での販売は現在予定はないとのことですが、液体ミルクの需要が高まれば検討されていくだろうとのことでした。早急な対応を求めたいと思います。また会場からは、「災害時には、ストレスで母乳が出なくなってしまうケースが多い。まずは母乳マッサージを。」という意見があり、母子健康のために大切な視点だと感じました。

液体ミルクの色は真っ白ではなく、少し茶色がかっています。これは高温殺菌するため、焦げが溶け込んでいるからだそうです。それを知らないと「劣化している」と誤認してしまうこともあるといいます。試飲もしましたが、粉ミルクとあまり変わらないやさしい味でした。
母乳、粉ミルク、液体ミルクと子育てにおいて授乳の選択肢が増えることは、心強いことです。笑顔で子育てができるよう、上手に取り入れていきましょう。

缶のほうが殺菌時間が長いため、褐色がかっています。

韓国製品の哺乳瓶型は、専用のニップルをつければそのまま飲ませることができます。(参加者が紹介してくれました)