2021年度 一般会計決算より

コロナ禍2年目、財政非常事態宣言発出2年目となる2021年度決算は、歳入は約823億円、歳出は約770億円、差引額約53億円と、数字だけ見れば好成績に見えますが、後に国に返金する金額も含んでおり、一過性のものです。
決算というのは、その年だけでなく、長いスパンで見る流れの縦軸と、社会にある不安要素や価値観の転換という横軸をふまえ、未来の目標を主軸に置いて、遡った今はどうなのかという複眼的な点検や評価が必要だと改めて感じる決算でした。以下、質問の一部です。

 

●障害者雇用について

2021年度は雇用率1.82%で法定雇用率2.6%を達成するには、あと13人の雇用が必要な状況です。募集しても応募が少ない、あう仕事がない、継続的な勤務が難しいなど、課題を確認しました。
応募の敷居を低くするうえで会計年度任用職員の採用も視野に、また積極的にインターンシップを受け入れるよう、学校等への働きかけを求めました。
※以前質問した雇用状況の公表は、こちらに掲載されるようになりました。

●女性ゼロの課が13→7に!

2021年度予算で質問したときは、女性がゼロの課が13ありましたが、現在はに減ったことが確認できました。組織改編などもあったとはいえ、前進です。ジェンダーバランスだけではありませんが、多様性を認め合い施策にも活かせる職場づくりに、引き続き取り組んでいくことを求めました。

●産後世帯配食サービスについて

コロナの影響で実家などの支援が受けられない世帯の産後支援(おおむね2ケ月)を目的とした昼食の配食サービスで、コロナ交付金を活用してはじまった事業です。詳細を質問すると、相談があれば柔軟に対応し断ったケースはないこと、アンケートによる意見集約やその後の支援につながるよう手紙を添えているとのことなど確認でき、工夫を感じました。
今年度は継続されていますが、次年度以降も孤独な子育てに寄り添う施策の一つとして継続し、例えば医療的ケアを必要とするお子さんを育児中の方への支援にもつながるような展開も含め、拡充を求めました。(サービス概要はこちら

●公立幼稚園の今後について

園児の減少等の理由から第五幼稚園に続き、第四幼稚園閉園の方向性が示されました。これで残りあと2園となりますが、26市で公立幼稚園を有しているのは日野市だけです。日野市立学校適正規模、適正配置等検討委員会の答申を受け、今後の幼児教育の在り方について、新たな会議体が発足します。培ってきた公立幼稚園のよさを日野市の財産として、今後継承・発展させていく方向性は教育長にも確認できましたが、幼児教育の在り方や廃園後の跡地利用についても市民参画で進めるよう要望しました。

2021年3月末で閉園した第五幼稚園

●市民要望に応えていくために

1年間に寄せられる市民要望について質問したところ、道路課には897件(舗装23% 側溝清掃22% 草刈り21%)寄せられ84%対応できているが、できなかったものは今年度に別予算化して委託業務での対応、緑と清流課には公園緑地に関することが1178件、水路に関することが395件ほか寄せられているが、時期が集中するため作業が追い付いていない旨答弁がありました。市民要望に応え続けていくには人手と予算が必要です。しかしそれにどう応えるか、そこに市民との信頼関係が生まれると考えます。
11月より導入予定の道路通報システムの利用状況も踏まえながら、いま一度そのあり方を見直すことを求めました。

 

最後に市長に2021年度決算をどう捉えているか質問すると「コロナ禍で生み出されたものと対峙しながら、本質的に何をどうするかを考えながら、財政再建の目標値に達するよう行財政改革をすすめていく」さらに「職員の心理的安全性を保障することで、フラットな関係で情報共有ができる職場を目指しながら、働き甲斐と市民サービスの向上が結びつくような回路をつくっていく」など今後目指していく方向性について答弁を得ました。

 

最近「ミュニシパリズム」という言葉をよく聞きます。これは地域に根差した自治的な民主主義や合意形成を重視する考え方で、生活者ネットワークが長年取り組んできた市民自治のまちづくりそのものです。あらゆる課題を解決していくヒントがここにあると考えます。

「日野市変わったね」と市民からの評価を得てこそ真の改革です。そのためにも、これからも日野ネットらしい提案をしていきたいと思います。

(認定)