性暴力被害者支援の充実を(6月議会一般質問)

内閣府男女共同参画局による「男女間における暴力に関する調査」(2017年度)によれば、女性被害者の約6割はどこにも相談せず、警察に連絡したのは2.8%にすぎません。
コロナ禍で暴力の増加が懸念される現状下、被害者が隠れるのではなく、社会としてケアし、性暴力をなくしていくための自治体の役割を質問しました。

※今議会では飛沫防止シートが設置されました。

多摩地域にワンストップ支援センターを! 

日野市は都内ではじめて「日野市被害者・遺族等支援条例」を制定し(2003年)、相談窓口を設けています。
東京・生活者ネットワークが都内自治体を対象に行った「女性の安全安心調査」において、日野市が1位となったのも、このような先駆的な取り組みがあったからこそと考えます。
「性犯罪」は警察が認知したものですが、「性暴力」は警察に行かない、行けないすべてのケースであり、望まない性的な行為は、すべて性的な暴力にあたります。
まずは24時間365日、性暴力被害の相談に応じているワンストップ支援センターSARC東京)の救援ダイヤルNaNaの徹底した周知をすすめることが大切です。さらに都内に一つしかない支援センターは多摩地域にも設置すべきと求めました。

性暴力から身を守る教育を

子どもの性被害は子ども自身が声をあげる事が難しく、声をききとり周囲が気づいてあげる事や予防教育が必要です。調査から「デートDV講座」(※)を全中学校において実施しているのは、日野市を含め都内で4自治体のみです。その点は高く評価しました。さらに、子ども自身が暴力から身を守る為の暴力防止プログラムは学年に応じて導入することを提案しました。
※デートDV講座:恋人間での暴力を「デートDV」といい、被害者にも加害者にもならないために行う予防教育のこと

市長からは社会の意識の変換が必要であり啓発が大切であること、ワンストップ支援センターは多摩格差の観点からも、地域の自治体として要望しなければいけないことなど、前向きな答弁がありました。また調査で1位であっても、全体的な点数が50点台(100点満点中)と低いことから、まだまだ施策が十分ではないという認識を持っていただけたことは、調査による「見える化」の成果であると感じました。

これから策定される第4次男女平等行動計画や関連条例等に明確に支援を位置付け、対策を行うよう、今後も注視しながら取り組んでまいります。

質問でも取り上げた、ジャーナリスト伊藤詩織さんの著書には、性暴力被害への支援の欠如が記されています

【相談窓口・情報等】

性暴力救済ダイヤルNaNa (電話 03-5607-0799)

日野市の被害者・遺族等相談窓口(セーフティネット・コールセンター)

★メールけいしちょう(子どもに対する犯罪等の情報配信メールの登録はこちらから)

※一般質問の動画はこちらからご視聴いただけます。

※6月11日に内閣府男女共同参画局が「性犯罪・性暴力の対策の強化の方針」を出しました。こちらからご覧ください。