地球環境と生物多様性の保存を目指して(多摩動物公園視察)

菅原直志都議からのお誘いで、都立多摩動物公園会派視察しました。(7月13日)
東京都では、「第2次都立動物園マスタープラン 中間のまとめ(案)」(※)を公表し、都民意見を募集したところです。※詳細はこちらを、概要はこちらをご参照ください。

マスタープランでは、恩賜上野動物園・多摩動物公園・葛西臨海水族園・井の頭自然文化園(建設局所管)に、大島公園動物園(環境局所管)を加えた5園を対象としています。
地球環境生物多様性が保全された持続可能な社会の実現を図るために、「魅せる」「伝える」「守る」「極める」をキーワードに取り組み、同時にSDG’sの達成に寄与することが主な柱です。園長をはじめ動物園や東京都建設局の職員の方々等に、座学および園内視察の場でお話を伺いました。

例えば日本産のトキは、2003年に絶滅してしまいましたが、その後、環境省は中国生まれのトキをもとに新潟県佐渡でトキ保護増殖事業を進めています。伝染病が発生した場合に備えて分散飼育が必要であり、トキ類飼育の経験が豊富な多摩動物公園が選ばれました。現在、多摩動物公園では非公開施設で飼育繁殖に取り組んでいます。
また、オーストラリアの保全プログラムに参加し、絶滅危惧種タスマニアデビルを飼育しています。夜行性で愛らしい寝顔で眠っていましたが、口を開けるとかなりワイルドなんだそうですよ。他にも小笠原諸島のみに生息する希少なオガサワラシジミ(蝶)の専用温室の前で、15年にわたる努力と技術の成果の一端をお聞かせいただきました。

タスマニアデビルの特性を説明してくださる動物園館長の渡辺さん

このように、国内、海外の動物園や研究機関等と連携し、種の保存や研究、繁殖に共同で取り組んでいるという動物園の大切な役割を改めて認識しました。同時にこういった東京都の取り組みをもっと日野市民へも情報発信すべきと感じました。

環境破壊や気候危機が起因して、動物の住処がどんどん狭められています。IUCN(国際自然保護連合)では、絶滅の危機に瀕している世界の野生生物のリスト「レッドリスト」を作成していますが、現在32,000種以上の生物に絶滅の危機があるといいます。絶滅した生物は、もう二度とよみがえることはなく、多様性は失われる一方です。生物との共生、これは持続化可能な社会の実現の重要なテーマです。

私自身子どもの頃から、そして子どもが産まれてからは子どもと一緒に何度となく訪れた多摩動物公園ですが、表から見ている部分はほんの一部であることに気づき、その水面下にある動物園の真の役割を見直すことができました。マスタープランでも動物園・水族館の持つ4つの役割「レクリエーションの場」「環境学習の場」「種の保存の場」「調査・研究の場」を強化していくとあります。動物園が動物に親しむだけではない奥深い役割を果たしていることを、私も発信し伝えていきたいと思います。

現在工事中のライオンコーナーも見ることができました。バスを待っている間も(あるいはバスに乗らなくても)大きなガラス張りの窓からライオンを見ることができるようになりました。公開時期は未定ですが、早ければ来年にはオープン予定とか。楽しみですね。
創立から62年、多摩動物公園の今後ますますの発展に期待します。

大きな窓からライオンを間近に見ることができそうです