「香害」国に要望書を提出!
生活者ネットワークは、柔軟剤などに含まれる香料による健康被害である「香害」の問題に積極的に取り組んでいます。昨年末から今年にかけては「学校保健における『香害』対策についてのアンケート調査」を行い、東京都内の19自治体にある649校の小・中学校から回答を得て結果をまとめました。私は2018年に一般質問で取り上げ、今年の3月には日野市議会から国への意見書を提出しました。
このたび、東京・生活者ネットワークより、国の関係省庁に対し、以下の2項目を求める要望書を7月30日に提出しました。(要望書の全文はこちら)
・柔軟仕上げ剤、消臭剤等を「家庭用品品質表示法」の指定品目にする
・香料の成分表示を義務付ける
「家庭用品品質表示法」は、消費者が日常使用する家庭用品を対象に、商品の品質について事業者が表示すべき事項や表示方法を定めており、これにより消費者が商品の購入をする際に適切な情報提供を受けることができるように制定された法律です。(消費者庁HPより)
この中の「雑貨工業品の表示」には、漂白剤や合成洗剤等はありますが、柔軟仕上げ剤、消臭剤等は指定品目に入っていません。また「香料」は「香料」としか記載されていないため、その成分がわかりません。このような現状では私たち消費者は選ぶ際の情報がなく、健康被害に至るケースが増えているので、そこでまずは指定品目に定め、香料の成分表示を義務づけることを求めています。
要望書提出当日は、同時にヒヤリングも行い、消費者庁、厚生労働省、経済産業省、環境省、文部科学省の関係課が出席しました。
消費者庁からは、今年3月に日本石鹸洗剤工業会が出した指針に基づき、大手メーカー3社のうち2社(花王・ライオン)ではインターネット上で自主的な成分開示を始めているが、指定品目での登録は予定がないと説明がありました。
成分開示は一歩前進ではありますが、英文表記でわかりにくく(※)、しかもネット上だけでは商品購入の際の情報として不十分です。商品への記載、またその安全性の調査と結果の公表も必要だと考えます。※一例としてこちらをご参照ください。
各省庁担当者は、化学物質過敏症やアレルギー反応等の健康被害に苦しんでいる人がいることは認識しています。しかし、私たちは原因が特定できない、科学的根拠が解明されていないから対策が進まないという姿勢は消極的だと感じました。このような姿勢は他の様々な問題にも通じるところではありますが、健康被害が購入者だけではなく、商品を使用することで周囲の人に被害をもたらしてしまうこと、つまり知らず知らずのうちに購入者が加害者になってしまうことが、「香害」の特徴です。
これ以上被害者を増やさないために、未然防止の観点から、法的な規制等の取り組みや調査を、早急に省庁連携のもとすすめていくことを求めます。そのために、生活者ネットワークも他団体と連携して、働き続けていきます。