2019年度一般会計決算より
歳入は約715億円、歳出は約696億円。昨年度は消費税増税、幼保教育保育の無償化、台風19号、そして新型コロナウイルス感染症の拡大等様々な事がありました。2月には市政上3度目となる財政非常事態宣言を出している状況です。
私にとってはじめての一般会計での決算は、まさに「日野市の定期健康診断」だと感じました。昨年度の事業の振り返りを通して、次年度予算編成につながる要望をしました。以下、質問の一部です。
●DV被害者への支援は広域連携で
多摩地域でDV被害者の保護と自立を支援してきた民間シェルターが、メンバーの高齢化と財政難により今年3月末で閉鎖となりました。日野市では平成16年度より毎年25万円を補助してきましたが、この決算での計上が最後となります。
民間シェルターが果たしてきた役割を検証した上で、今後は新たな広域的な支援策のあり方において、日野市にリーダーシップを発揮してほしい旨求めました。
●障害者雇用についての報告を
市は2018年に障害者雇用率の不適切な算定があったことを公表し、障害者雇用に積極的に取り組むとしています。しかしながら昨年度の採用は3人、法定雇用率2.5%には達していません。
市は今年の4月に障害者活躍推進計画を策定し、職員課に事務サポート係を設けるなど、丁寧な取り組みをしていますが、市民への説明責任が十分でない旨を指摘しました。
積極的にインターンシップを受け入れ、職場体験の機会を増やしていくことを要望しました。
●ハラスメント相談後の救済について
昨年度はじめて通年で外部委託を行い、相談件数は以前と比較し、飛躍的に伸びています。相談受付以降の調査や救済にも第三者がはいることを求めたところ、内部告発制度導入を検討していることが確認できました。策定中のセクシャルハラスメント防止指針改定版においては、公開を求めました。
●フードパントリ―事業の拡充を
食品支援をきっかけに相談支援の窓口に繋ぐフードパントリー事業は、コロナ禍で需要も寄付も急増しています。「子どもの貧困対策」事業ですが、全体のパイが広がることで、経済的に困窮している子どもへの支援へもつながると考えます。
市役所や支所でも随時支援を受け付ける、あるいは災害用備蓄品の活用なども視野に、事業継続と拡充を求めました。
●プラスチックの資源化は先を見据えて
今年1月より、プラスチック資源化施設の試験運用が始まりました。昨年度は「お返し大作戦」参加店舗の拡大には取り組めなかったとのことで、今後の店舗及び取り扱い種類の拡充を求めました。
例えばペットボトルに関しては、店頭回収や集団回収の拡充により、ゆくゆくは行政回収をなくしていく制度設計を目指していくことも必要だと考えます。
一方でごみを自力で出せない方への対応(ハンディキャップボックス・シール)は市民にとってとてもよい制度だと思いますが、より利用しやすい制度になるよう求めました。
●市民会館から子ども達に芸術を
昨年度より貸館中心から自主事業の充実を目的に、新たな指定管理者となりました。それにより、小学校へのアウトリーチが実現しています。子ども達と芸術の特別な出会いに期待を寄せます。
日野市は今後3年間で約100億円の財源不足が見込まれるとして、2月に財政非常事態宣言を出しています。基金を取り崩し、市債に頼る財政状況をどう立て直していくのか、限られた予算でどう最大限の効果を上げるか、そこに市民の納得と満足感が伴うか、基礎自治体としての腕が試されるところです。日野市の現状、そして財政再建方針・計画については、市民にわかりやすい説明を求めます。
日野市は昨年「絶対に人に見せてはいけない職員手帳」を制作し、話題となりましたが、それがどう職員の意識改革につながったのか、継続的な取り組みにするには仕組みづくりが必要と考えます。それが市民サービスの向上につながるよう、求めました。今後の取り組みに期待します。
他市の良い事例はどんどん取り入れ、日野市の取り組みで良いことは発信する。今後は庁内の横の連携はもちろん、市民活動や広域化での協働をいかに有機的に展開できるかが鍵です。
一議員として、私も力を尽くしてまいります。
(以上、全て認定)
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