前市政から受け継いできた問題に現市政はどう対応していくのか(12月議会より)

12月議会では初日と最終日に、以下のような議案が審議されました。

補正予算「弁護士謝礼」

北川原公園をめぐる裁判費用660万円の補正予算の審議が、議会初日にありました。報道等でご存じかとは思いますが、改めて裁判の概要をお伝えします。

3市の可燃ごみ処理施設への廃棄物運搬車両は、万願寺にあるスーパーいなげやさんの隣に位置する北川原公園の一画を通っています。
このエリアはもともとあったごみ処理施設(日野市クリーンセンター)に加え、東京都の下水処理施設(浅川水再生センター)を建設するにあたり、当時の市長が周辺住民の理解を得るために、公園の設置を提案したという経緯があります。

右が国道20号バイパス、左が北川原公園、真ん中が通行路

その公園内を廃棄物運搬車両が通るのは、都市計画法及び都市公園法に違反であり、よって関連する工事契約の締結をした大坪市長に、損害賠償請求(2.5億円余)を求める(日野市に返還を求める)住民訴訟が起き、東京地裁は原告側の勝訴としました(11月12日)。
日野市はその判決を不服とし、控訴するものです。控訴期限が目前であることから、議会初日の即決で、賛成多数で可決されました。

白い煙突のある可燃ごみ処理施設から出てきた車両は、この通行路を通り国道20号バイパスへ

主な争点は、都市計画を変更せずに、公園内にこのような通行路を設置することが違法か否かです。市は、この通行路は概ね30年間の暫定的な使用であり、かつ現在も夜間や週末は公園として開放していると主張しています。この通行路が公園の役割を兼ねる「兼用工作物」として認められるか否か問われています。今後の司法の判断を、注意深く見守りたいと思います。

確かに工事を発注したのは現市長です。しかし、可燃ごみ処理施設の広域化への方向転換を、市民との合意を得るための十分な期間を取ることもなく進めた前市長の進め方に、やはり事の発端があると私たちは考えます。この進め方については、日野ネットも市民との十分な検討期間が必要であったと指摘しています。

と同時に、30年後を見据え、ごみゼロ社会の実現を本気で考え、取り組んでいきたいと思います。

公園内設置の案内図 グレーの部分が通行路/北側が兼用工作物(バイパスを跨いでいる部分と右側が市道、左側が専用路)南側は広場の維持管理道路

大坪市政における地方公務員法違反疑惑に関わる事実の実態解明と再発防止を求める決議

議会最終日には、元副市長をめぐる新たな兼業疑惑等が明らかになったことから、その実態解明と再発防止を求める決議が全議員によって可決されました。
元副市長の問題については、議会からの決議は3度目です。本来であれば、決議がなくても、市民からの信頼を取り戻すに必要なことは、自ら進んで取り組む市であってほしいと願いますし、これからはそうであってほしいと期待します。

財政再建に向けての取り組み、新型コロナウイルスへの対応といった市民のためになる仕事に集中できるよう、元副市長の件に関しては、裁判も進行しているところですが、早急な解決を求めます。

市は再発防止に向け、日野市職員等の内部通報に関する条例制定に向け、現在準備をすすめています。これは、市職員等が不正の事実を知った際の通報義務を課すとともに、通報によって不利益な扱いを受けないよう保護するもので、日野ネットも求めていた制度です。

不正を防止し、市政運営の透明性の向上につながる自浄作用として機能するよう、私たちも取り組んでいきたいと思います。

☆元副市長に関する報告等はこちらをご参照ください。