私が私のままで生きる社会を ーその1(日野市の講演会より)
日野市では、現在「パートナーシップ制度」導入に向けて検討を進めています。これは自治体が同性カップル等を「婚姻と同等の関係」と証明する制度です。
制度導入の背景にある性の多様性や日本では認められていない同性婚等をテーマとした「日野市男女平等推進センターフォーラム2022」に参加しました。(6月25日 多摩平の森ふれあい館)
二部構成でしたので、二回に分けてお届けします。
結婚の自由をすべての人に
結婚する・しないは個人の自由です。しかし自由というのは選択肢があってこそ。日本において、同性カップルにはその選択肢が認められていないのが現状です。
この現状が憲法に違反することを真正面から問う日本で初めての訴訟が、2019年より全国各地で展開しています。その東京弁護団共同代表として尽力されている弁護士の寺原真希子さんを講師に、この訴訟が問いかける本質についてお話を伺いました。
同性同士であるという理由だけで、同性カップルは社会的に認められず、また保障が受けられずに個別対応を迫られています。それは当事者にとっては「社会的に保障する必要がない存在」というメッセージを浴び続けていることであり、結果として自己肯定感が低くなることにつながります。実際、LGBTの自殺未遂経験割合は、異性愛者の10倍とも言われています。命に関わる人権問題です。
2021年札幌地裁では違憲判決が、そして大阪地裁では合憲判決が今月でたばかりです。この判決の差は何か―寺原さんは、命の問題としてひっ迫性を認識しているか、司法としての責任を引き受けているかの差であると指摘され、とても腑に落ちました。
合憲とする判決文を読み解くと、「おかしい」と感じるところが多々あります。例えば婚姻の目的は「生殖」なのでしょうか。子どもを持たない選択をする夫婦や授からない夫婦もいます。このように一つづつ反証していくと、同性間の婚姻を認めない合理性など、最後には何一つ残らないと感じますが、これから続々と続く各地の判決にも注目したいと思います。
寺原さんは当初、当事者ではない自分が関わっていいのかというためらいがあったといいます。しかし、差別や偏見を生み出しているのは多数派の側であることを自覚し、だからこそ多数派から声をあげていくことが必要であると訴えていました。そうでなければ、少数派の声が多数決の場において通ることは決してないからです。根幹的な非常に大切な指摘で、私も一議員として胸に刻みました。
結婚の自由をすべての人に—私も声をあげていきます。
【関連サイト】
結婚の自由をすべての人に – Marriage for All Japan –
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講演会記事その2はこちらです。
誰もが自分らしく生きられる社会の実現に向けて(おしゃべりカフェ報告) | 白井なおこ (seikatsusha.me)