私が私のままで生きる社会を ーその2(日野市の講演会より)

第二部では、アセクシャルの研究者で日野市のパートナーシップ制度検討委員会の委員でもある三宅大二郎さんが、「好き」の多様性についてお話くださいました。

 

そもそも結婚や恋愛ってするものなの?

 「アセクシャル」「アロマンティック」という言葉を聞いたことがありますか?
統一された定義はないようですが、大まかに言えばそれぞれ誰かに性的に惹かれたり、恋愛感情を抱かないという意味です。

この分野の研究はまだ非常に少なく、情報も少ないといいます。そこで実態を可視化するために、三宅さんが属するアセクシャル啓発団体「As Loop」では調査を行いました。
その調査の一部を会場でもやってみたのですが、こんなにも自分の恋愛や性愛の傾向について掘り下げて聞かれたこと、考えたことはなかったので、正直少ししんどい感じもしました。
と同時に、やってみたことで、性的指向と恋愛的指向は一致するとは限らないという話も、それ自体ない場合もあるという話も、まだなんとなくですが理解できた気がします。
(調査の結果はこちらをご参照ください。)

女性は男性と恋愛し、結婚し、子どもを産み育てるーその傾向も変化してきたとは言え、多数派を占めています。私たちは一般的に、多数派が「普通」と思い込みがちです。しかし「アセクシャル」「アロマンティック」の方にとっては、恋愛的や性的に惹かれないのが「普通」なのです。恋愛や性行為が「できない」と表現する時点で、「する」ことが前提となってしまいます。三宅さんは、勝手に「草食系」といった言葉でラベリングしてほしくないとも話されました。

人の「多様性」だけではなく、そもそもの前提や規範を問い直すー「アセクシャル」「アロマンティック」を考えることはそこにつながるという指摘は、奥深いと感じました。

これからも自分らしく生きる社会の実現に向け、活動していきます。

☆講演会記事その1はこちらです。