行き場のない子がいないように(12月議会請願より)
2件の請願の紹介議員となりました。共通するのは、子どもと保護者の思いと願いです。
子どもたちの個に応じた学びへの支援を!
「不登校児童生徒に対して多様な学習機会の確保のための経済的支援制度の確立を求める意見書」を国に提出することを求める請願で、いわゆるフリースクール等の学校以外の場において行う多様な学習活動に必要な負担軽減のための経済的支援、及び運営側への支援を国に求めるものです。
不登校児童生徒は増加の一途をたどっており、2021年度では全国で24万人(文科省発表)を超えています。フリースクール等の利用料は幅がありますが、平均で月額約3万3千円(文科省調査)、きょうだいで不登校になるケースも少なくなく、また長期間に及ぶこともあり、加えて厳しい運営状況にある施設への寄付なども欠かせないようです。心理的な負担に加え、経済的な負担がいかに大きいかということが、請願者の話から伝わってきました。
請願は賛成多数で採択されましたが、意見書は全議員が賛成しないと提出できません。これまで私も複数の保護者の切なる声を受けてきましたので、非常に残念です。このねじれた状況については以前より問題だと感じています。市民の請願に基づく意見書については、議員が提案する意見書とは別のルールを設けるのが望ましいと考えます。
同時に、学校自体が変わっていかねばと強く思います。どう変わっていけば、子どもたちが「通いたくなる学校」になるのでしょうか。先日市内で上映会があった「夢みる小学校」もひとつのヒントになるのではと考えます。これからも、皆さんと話し合っていきたいと思います。
第四幼稚園をなくさないで!
私立幼稚園の補完的役割として設置されてきた公立幼稚園は市内には7園ありましたが、園児の減少に伴い、現在は3園に縮小されています。その中の第四幼稚園の閉園計画が発表されたことを受け、保護者等が見直しを求め、4000筆を超える署名を集め請願しました。子どもたちが「ようちえんがなくなりそうです」と呼びかけ、中高生が署名に応じている様子など、私も見かけました。
このエリアは他に幼稚園がなく、私立に入園できなかった子どもの受け皿になっているという切実な声があります。支援を要する子には支援員がつき、多様な子どもたちがともに育つインクルーシブ教育が実践できている、また小学校のすぐ隣にあり幼小連携ができているといいます。
★議員に届けられた保護者の声はこちらをご参照ください。
私は9月の決算審議で、公立幼稚園閉園の進め方について、疑問を投げかけていました。教育委員会としてはまずは「学校適正規模・適正配置等検討委員会」に諮問し、答申を受け、素案をつくり、教育委員会に諮り、説明会を開催し、パブリックコメントにかける、という正しい手順を踏んでいるという認識なのかもしれませんが、保護者にとってはどうなのだろうか—その懸念が的中しました。
請願では、検討の早い段階で市民の声を聞くことを求めており、これは今回の一般質問のテーマ「市民参画」のあり方に通じます。
付託された民生文教委員会で全委員が「継続」とし、継続審議となりました。これから日野市らしい幼児教育のあり方を検討する「幼児教育・保育の在り方検討委員会」が開催されます。そこでの議論と今回の閉園計画は別問題と市は説明します。しかし、閉園により行き場がなくなる子ども達がいないよう、公立、私立問わず通いたい幼稚園・保育園に通うことができる環境を整えることが先ですから、関係は大いにあるのではないでしょうか。単に閉園にするのではない、第三の道もあるかもしれません。一緒に考えていきましょう!
【関連リンク】
市立幼稚園の閉園に関するパブリックコメントについて|日野市公式ホームページ (hino.lg.jp)
※こちらのページより一連の関連のリンクにもとぶことができます。
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