2024年度 一般会計予算より
過去最高となる700億を超える一般会計予算は、貯金(基金)の切り崩しや借金(市債)に頼らざるを得ない財政運営です。財政調整基金を約40億円使い、残りが約17億円となることは、財政再建計画に掲げた35.7億円という残高目標から遠ざかります。未来を見据えながら、財政再建にも着実に取り組んでいかねばなりません。
そのような状況下ではありますが、2024年度予算は、子どもの今と未来のための施策に重点がおかれた点は評価します。子どもが相談でき、権利侵害から救済する第三者機関「子どもオンブズパーソン」、子ども条例を検証する「子ども条例委員会」の設置、学校に通いづらい、あるいは教室に入りづらい子ども達への支援の充実、学級支援員の増員やヤングケアラー支援といったこれまで求めてきた多くが盛り込まれていると感じます。子どもの自殺者数が過去最多を更新するなど子どもが危機的な状況にあると言われる今、力をいれて取り組むべきことと考えます。
財政は難しいと予算・決算のたびに感じます。数字だけをみていても、今だけを考えていてもいけません。市民への説明責任も問われます。
一般会計の特別委員会に所属し、3日間に渡り審議を行いました。質問した内容の一部をご報告します。なお当初予算全体についてはこちらの概要をご参照ください。
●市内公共施設の電気が再エネ100%に!
新年度より、市役所や学校等を含め、市内の公共施設の電気が再生可能エネルギー100%になることが質疑を通して明らかになりました。以前提案しカワセミハウス1施設から実現、そしてついに!です。電力の調達に係る環境配慮方針に基づいた競争入札で実現しています。
日野市気候市民会議からの提言が、早くもひとつ実現したことになります。その点も踏まえ、広く周知を求めました。
●障がいのある方の雇用について
雇用率としては、昨年末の1.91%というのが最新の数値、新年度は3名増の見込みとのことです。ただし新年度より法定雇用率は2.6%から2.8%となりますので、まだまだ届いていません。職員課は働き方改革、多様な雇用形態への対応、人事評価、研修等取り組むべきことが山積しているのは理解します。だからこそ全庁あげて組織として「ともに働く」を足元から実現してほしいと考え、機会をとらえ質問を続けています。
●女性活躍シンポジウム
国際女性デー(3月8日)に開催予定で、登壇者には自分を大切にしながら働くことの大切さを語ってもらいたいという内容が質疑よりわかりました。このような企画は単発に終わらず、国際女性デーを通して女性の人権、ジェンダー平等について考える機会として、少なくともSDGs達成年である2030年までは継続することを視野に取り組むことを求めました。
●消費税をめぐる問題について
インボイス導入を機に課税対象の誤認が発覚し、日野市では下水道事業において過去5年分の消費税、および延滞税の追加納付が発生しています。
障害者相談支援事業委託を非課税と誤認していたため、追加納付が生じたという他市の事例が報じられていました。この点を確認すると、日野市でも5つの課で見直しがあることがわかりました。国の周知の仕方にも課題があるという指摘もあるところですが、内部で確認の仕組みがつくれないものか、また質問しないと説明がないという市の姿勢について指摘をしました。
●ハートフルプロジェクト
日野市障害者差別解消推進条例の理解を深める独自の福祉教育です。「ともに生きるまち日野」の実現のためにも、全ての子ども達に受けてほしい授業です。
これまでの実績をもとに、委託事業としてはじめて予算書にでてきました。長く続けていくために、また実施校を拡大していくためにも、持続可能な仕組みづくり、体制を確立することを求めました。
(予算案には賛成)