甘夏みかんと水俣病
いちご大福ならぬ「甘夏大福」、皆さん食べたことありますか?私はありませんでした。しかもそれを自分たちで作る!どうやって?興味津々で、生活協同組合の企画に参加しました。(1月16日)
甘夏みかんは、子どものころはよく食べた記憶があります。母がむいてくれるはしから食べていました。成長するにつれ、自分でむいて食べるようになりましたが、正直少々めんどうくさい。大人になって、食べる機会もめっきり減りました。
しかしこの日は「みんなでむくとあっという間だね!」「おしゃべりしながらむくと全然苦じゃない!」と和気あいあい。あとは消費材の粒あんに包むだけ。これで中身は完成。薄くむいた皮の一部は細かく刻んで、餅に練りこみます。ちなみに残りの皮は、お菓子作りが上手な仲間がオレンジピールを作るのに持ち帰りました。皮も余すところなくいただきます。安心して皮もたべられるので、捨てるなんてもったいない!ごみにはしません。
耐熱ボウルに白玉粉とビートグラニュー糖、水を入れて電子レンジで加熱します。調理室には2台の電子レンジがあり、製造年に大きな開きがありました。歴然と新しい方がムラなくうまくいき、思わぬ実証実験となりました。混ぜながら何回か加熱を繰り返したら、餅生地ができます。餃子のように伸ばして中身を包めば「甘夏大福」の完成です。
調理のあと、「みつこの詩(うた)」という紙芝居を鑑賞しました。水俣で生き抜いた女性の物語です。YouTubeでも公開されていることを知りました。ぜひご覧いただければと思います。(こちらからご覧いただけます)解説はこちらです。あわせてご一読ください。
なぜこの紙芝居を?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は水俣の甘夏みかんの歴史は水俣病の歴史と重なります。水俣病は、化学工場から排出されたメチル水銀化合物が魚などから食物連鎖を通じて人間の体内に高濃度に蓄積し、発症する中毒性の神経疾患です。水俣病発生後、漁ができなくなった漁師たちは海から山に移り、農薬を使わない甘夏みかんづくりに取り組みます。公害の被害者として、農薬による健康被害を広げたくないという思いからです。だから安心して皮もいただけます。
しかし、農薬を使わないと見た目が悪く、市場では価値が下がります。だからこそ、その取り組みを理解している組合員が長年にわたり買い支えています。また市場に出せるよう理解を広げていくことが大切です。
今年は水俣病認定から70年。2年前にはいわゆる「マイク切り問題」(水俣病被害者との懇談の場で、発言途中で環境省職員がマイクをオフにした)もありましたが、水俣病は終わっていません。甘夏みかんを食べるたびに、そのことに思いを馳せます。楽しかった、美味しかっただけで終わらない、共に考える時間を持てたよい企画だと感じました。
「甘夏大福」のお味は、「いちご大福」の美味しさとはまた別の、爽やかな後味が印象的でした。レシピはこちらです。よかったらチャレンジしてみてくださいね。
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