包括的性教育を公教育で実践し、子どもの学ぶ権利の保障を求める要請
これまで包括的性教育の必要性を議会で、街頭で、くり返し訴え続けてきました。子どもへの、また子ども間での性暴力をなくしていくために、望まない妊娠で苦しむことのないよう正確な性の知識を身に着けるために、自分も相手も大切だという人権意識を幼少期から培っていくために、子どもの学ぶ権利の観点からも欠かすことができないものと考えるからです。
国連の女子差別撤廃委員会等からの勧告だけでなく、朝日新聞が行った調査では、回答した保護者の約9割が学校での性教育を望むという回答結果も出ています。
現在、10年に一度の学習指導要領の改訂が進められています。しかし、踏み込んだ検討は行われていません。この現状に危機感を抱く全国市民政治ネットワークの仲間とともに、「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」に準拠した包括的性教育の実施を求め、要請を行いました(7月1日 参議院議員会館)。
ご協力いただいた参議院議員の打越さく良さん、塩村あやかさん、またご対応いただいた文部科学省、こども家庭庁、内閣府男女共同参画局、厚生労働省の担当職員の皆さまに深謝いたします。
要請書はこちらです。クリックすると拡大しますので、ぜひご一読ください。
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要請書に沿った事前質問に対し、各担当職員の方よりご回答いただきました。内容としては、いま実際に取り組んでいる施策の説明が中心でした。
いわゆる「はどめ規定」をなくすことについては、 学習指導要領の規定は、当該事項を教えてはならないということではない。児童生徒の状況に応じて、保護者の理解を得ながら実施する必要があり、個別指導により対応するという趣旨である旨説明がありました。
これについて打越さく良議員より「(はどめ規定を超える内容については)保護者の理解を得ながら実施するということだが、理解を得られない家庭にこそ、問題を抱えている子どもが多いと実感している」との鋭い指摘もありました。だからこそ、大人が個別に判断するのではなく国が「公教育」としてその必要性を認識し、実践していくことを求めています。
塩村あやか議員は「いくら重要性を訴えても、理解が進まない。」ともどかしさを訴えました。だからこそ、私たちは要請書の中で「これ以上先延ばしすることは政治の不作為にほかならない」と強い言葉を使っています。
こども家庭庁の担当職員は、まず「学習指導要領は文部科学省の所掌である」と前置きしたうえで、プレコンセプションケアの取り組みを熱心に説明されました。 プレコンセプションケアは、妊娠前の健康管理を軸に、妊娠・出産を含めたライフデザインを支える施策です。自治体での普及を進めるため、文部科学省と連名で事務連絡を出しているとも話していました。私たちは、プレコンセプションケアは性の学びの断片に過ぎず、包括的性教育の一環として行われてこそ、意義あるものと考えます。
こども家庭庁は、政府全体で子ども施策を推進するために設置され、担当大臣は他省庁への勧告権も持っているはずです。にもかかわらず、包括的性教育には正面から取り組もうとしない姿勢には、文科省との間に厚い壁を感じます。
進行の都合上、会場での質疑応答の時間はありませんでしたが、参加した各ネットワーク代表から発言の時間がありました。私は東京・生活者ネットワークを代表して、また性教育が委縮するきっかけとなった七生養護学校(当時)事件が起きた当該自治体の議員として、子ども達をこれ以上国際スタンダードからみた後進国に置き去りにしないでほしいと訴えました。
このように関係省庁の職員の方々に一堂に会していただけたことは、大変有意義な場であり、私たちの訴えはしっかりと受け止めていただけたように感じます。「子どもの尊厳に関わる重要なこと」という言葉もありました。早急に審議の検討課題にあげていただくよう、見守らせていただきます。
ぜひ皆さんからも声を届けてください!

参議院議員の打越さく良さん(前列左から3番目)、塩村あやかさん(同4番目)を囲んで 参加した埼玉県市民ネットワーク、神奈川ローカルネットワーク、市民ネットワーク千葉県、東京・生活者ネットワークの議員及びメンバー
【関連サイト】
日本弁護士連合会:学習指導要領の改訂に当たり「歯止め規定」の撤廃と包括的性教育の導入を求める会長声明
チャイルドラインとすすめる包括的性教育キャンペーン
全国市民政治ネットワークが、包括的性教育を公教育で実践し、子どもの学ぶ権利の保障を求める要請書を提出 | 東京・生活者ネットワーク
