遊具からはじまるインクルージョン(もり公園にじいろ広場視察)
公園にある見慣れた遊具。遊びたくても、遊べない子ども達もいます。
日野・生活者ネットワークでは、誰もが遊べるインクルーシブな遊具の設置を予算要望で求めてきました。このたび、東京・生活者ネットワークの岩永やす代都議のコーディネイトで、都立府中の森公園内「もり公園にじいろ広場」を視察しました。(5月10日)
2021年10月にリニューアルオープンしたこちらの広場は、世田谷の都立砧(きぬた)公園内「みんなのひろば」に続き、今まで公園で遊びにくかった子どもや保護者たちの声を反映してつくられた広場です。広場にある14ある遊具の9を新しくインクルーシブな遊具にしています。
指定管理を行う財団法人東京都公園協会では、オープン前から地域の団体や来園者の声をアンケートやヒアリングで聞き取り、反映させてきました。
例えば広場の奥の方は白い柵があり、その場所の利用は9時~17時(冬場は16時)と制限されています。これは知的に課題のあるお子さんの保護者から「迷子にならないよう、安心して遊べる工夫を」という声を受けて、試験的に設けられたといいます。
また遊具を制作された方からは、とにかく「すべてはその子の笑顔のために」つくられたと伺いました。車椅子のまま、滑り台の一番上まで行けるということが大切で、例え降りて滑ることができなくても、とても喜ばれるそうです。よくある既存の遊具を、遠い目で眺めるだけしかなかった子ども達がいたということに、改めて気づかされました。
東京都の担当職員の方は「公園はつくってからが真価が問われる」とのこと、いかに実際に来て遊んでもらえるかが課題だといいます。利用することに対するハードルを下げていくには、少し時間も必要なのかもしれません。
遊具を設置して終わりではなく、遊具にたどり着くまでの動線も含めて、公園全体、まち全体、そして人々の意識も含め、誰も排除しないインクルーシブな社会をつくっていくための、むしろはじめの一歩なのだと感じました。
東京都では、都内にインクルーシブな遊具を広めていくための補助金制度をつくり(今のところ、ひとつの自治体に対して一か所)、日野市においては市役所前の中央公園に今年度中に設置の予定です。地域の声を聞きながらすすめていくことに期待します。
ぜひ、お声をお寄せください。