若者が影響力を発揮できる 東京デモクラシーを!
今年の東京・生活者ネットワーク「新春のつどい」では、両角達平(もろずみ・たつへい)さん(日本福祉大学専任講師)をお招きし、スウェーデンの若者の社会参画をテーマに講演いただきました。(1月27日@杉並公会堂)
スウェーデンの若者の投票率の高さ(85%)、その背景にあるデモクラシー教育については、政治家が学校に出向いて対話したり、学校で本物さながらの選挙を行うなどはよく知られていることかと思います。
今回なるほど!と思ったのは、若者の意思決定を「権利」「手段」「空間」「機会」が相まって支えているということです。その環境を通じて、自らの意思決定が社会に影響力を発揮できるということを体得してきている、それが「参画」であるということです。
先日、給食について子どもの声を聴こう!と話し合ったばかりですが(こちらをご参照ください)、スウェーデンでは「給食協議会」なるものがあるそうです。参考にしたいと思いましたので、紹介します。
ー給食協議会ー
・毎学期に2~3回の頻度で開催
・全クラスからの代表者、学校の執行部、教員、給食室の調理長及び調理員、保健室の先生が参画
・献立に限らず、食堂の環境やルール、名称の決定や改善のための提言、意見箱などについて話し合われる
また、まち中には、若者による若者のためのユースセンターという活動の場が国内で1500か所以上あるそうです。センターの第一の目的は「余暇の保証」。子どもの権利条約にもありますね。
いわば学校でも家庭でもないサードプレイスで、余暇の時間の中で楽しみながら参画する、そういう居場所になっているといいます。
民主主義とは、自分の声を届かせることができ、影響を与えられること。小さなころから、小さなことでもその成功体験を重ねることで、自己肯定感が育ちます。それがスウェーデンでは、しくみとして社会全体に展開されているのです。
世界的なスウェーデンの環境活動家、グレタさん自身が素晴らしいことはもちろんですが、彼女の声を受け止める社会があったからこそだと思いました。
単に若者に「投票に行こう!」と呼びかけるだけでは変わりません。東京・生活者ネットワークでは「ユースチーム」を立ち上げ、若い人が安心して語れる場をつくります。東京を、そしてもちろん日野市でも、もっと若者が参画できるまちに変えていきたいと思います。
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両角さんが、日本の政治とスウェーデンの政治の違いをこのように資料で説明していました。わかりやすいので紹介します。
【日本の政治とスウェーデンの政治の違い】
日本 | スウェーデン | |
政治 | 参議院、衆議院 | 一院制 |
選挙 | しょっちゅう開催 | 地方選、国選ともに4年に1度 |
参政権 | 25歳、30歳 | 18歳 |
政治家 | スーパーマンがなる | 普通の人がやる |
給料 | 高い | ほぼボランティア(地方議員) 60~80万円(国会議員) |
全然違いますよね。「スーパーマン」というか自分とは関係ない「遠い人」のイメージかなと私は思います。スウェーデンでは地方議会は平日夜などに「普通のひと」が「やる」感じなのだとか。政治家に「なる」のではないのですね。生活者ネットワークの考え方に近いと感じました。
ちなみに国会での女性議員は46%、日本はその3分の1以下です。この差は、よりよい社会への変化のために、多様性の反映に本気で取り組んでいるか否かの差だと受け止めています。
「新春の集い」は市民団体、国会議員、都議会議員等の皆さんを迎え、生活者ネットワークの議員が一致団結する機会です。特に今年は4年に一度の都議会議員選挙があります。
「あなたの選択が東京を変える」をキャッチフレーズに、東京初の元祖地域政党の実績で、政治を生活者の手に、とアピールしました。全体の様子はこちらをぜひご覧ください。そしてともに東京デモクラシーを実現させましょう!