安全保障のジレンマ(防衛特別所得税の導入より)

防衛力の抜本的な強化を図るための財源確保のひとつとして、2027年より防衛特別所得税が課税されることをご存じでしょうか。
3月議会では休会の日だった31日、参議院本会議で関連法案の成立後、夜6時半より議会を開き、市税条例の改正が審議されました。所得税は国税ですが、市税条例では寄附金税額控除(ふるさと納税)に関連して改正が行われ、以下の意見を述べました。

議案には賛成いたしますが、防衛特別所得税の導入のすすめ方については賛同できかねるという立場で意見を述べます。
復興特別所得税と抱き合わせるかたちで、トータルでは国民の負担増にはならないという説明、進め方には疑問を通り越し、怒りを覚えます。
つまり復興特別所得税2.1%の1%を防衛分にあてるとのこと、しかし残された1.1%の復興税も2037年までだった期限を10年延長し、かつ、防衛特別所得税の終了期間は設定されていませんから、結果的には増税です。
いまだ復興が進まない中、次々と支援が打ち切られていく被災者の方々にとっても、事実上の「復興から防衛へ」の特別所得税の使い道が転用されるわけですから、到底納得しがたいと考えます。
はじめるときは小さく、影響が少ないようはじめても、この税率も今後どうなるかはわかりません。真に必要なものなら、このようなやり方ではなく、国民が納得できるよう、丁寧に説明すべきです。
防衛費に関しては考え方はそれぞれかと思いますが、天井知らずになるであろうことは、否定できないと考えます。またどこまでが防衛なのか、その考え方も揺らいできています。
安保3文書のひとつ「防衛力整備計画」は2023〜27年度の5年間で43兆円を投じ、防衛費とそれを補完する取組(インフラ、海上保安庁、経済安全保障関連経費など)を合わせて、「2027年度にGDPの2%水準」を実現する方針を示しています。
これについては2025年に誕生した高市首相が「前倒し」を表明。同年度に2%に到達し、目標より2年早く実現しています。計画1年目の2023年度の防衛費は6.8兆円、その後は、毎年約1億円づつ積み増し、2026年度予算では9兆円を突破しました。
しかもアメリカのトランプ政権は日本を含む全ての同盟国に対し、GDP比5%の防衛支出を求める方針を公表しています。現在の2倍以上です。
すでに国の一般会計予算約122兆円の内訳では、国債と地方交付税を除くと、社会保障費の次に多いのが防衛費です。その財源と言えば、国債とたばこ税、法人税、そしてこの防衛特別所得税です。
戦後日本は、国債の乱発が戦争を支えた反省から、防衛予算への充当は認めていませんでしたが、2023年度予算より、建設国債の使途を防衛費にまで拡大、累計は2兆円を超えているといいます。すでに歯止めがきかなくなっているのではないでしょうか。
高市首相は「安保関連3文書」の改定や非核三原則の見直しに意欲的です。この先どこまで防衛費が増大するのか懸念しかありません。
防衛費がかさめば、その分何かが削られます。国民の命を守るのは防衛だけではないはずです。真に国民の、そして市民の生活を守るためにどのようにあるべきか、安全保障のジレンマについて、私達一人ひとりが考えていかねばなりません。
こういった考えもあり、平和事業の市民活動を応援してほしいと訴えていたわけです。
これから市民に説明するにあたり、皆さんの命を守るために必要な防衛費だといったような、一方的な解釈はどうかいれないでいただきたい、ということをお願いし、以上意見とします。

いま、国会前では連日のように憲法改正に危機感を抱く人々が声をあげています。全国各地でも同様の動きが展開されており、日野市内でも若い方の呼びかけにより行われました。小さな力でも意味がある、という言葉が耳に残っています。一方で、SNSではそういった動きを揶揄するような動画が拡散されているようです。
世界に目を向ければ、ローマ教皇の暴君批判と平和を希求する発言を心強く感じています。意見でも述べたように、私たちが主権者として考え、行動していくことが大切です。
日野ネットでは以前、映画「第9条」の上映会&ディスカッションを行いましたが、また何か企画ができればと思います。
皆さんの声、お寄せください。