子どもが安心してわがままを言える環境を!(おしゃべりカフェ報告)

6月議会の議会報告「なおことおしゃべりカフェ」(7月18 日)はオンラインで、かつはじめての日曜日の午前中の開催で、9名の参加者で意見交換ができました。メインテーマは「子どもの権利」です。
前半、私からは6月議会の一般質問トピックスなどご報告し、後半は小金井生活者ネット前市議の田頭祐子さんより、「小金井市子どもの権利に関する条例」についてご報告いただきました。「日野市子ども条例」策定に関わった方や議員からは当時の様子を聞くことができ、時間軸と横軸がクロスすることで、一歩つづ進めていく大切さと、共通する課題も見えてきました。

●市民運動の底力
「日野市子ども条例」(当時は「子ども権利条例」)ができる過程では、「意見を言うだけでなく、自分たちで条例をつくりたい!」という熱い思いを持った公募の市民委員が108回の会議を重ねて、案文をつくりあげています。
日野市とほぼ同時期(2009年)に条例ができた小金井市でも、プロセスは重なる部分が大きいですが、「つくろう!子どもの権利条例の会」から「活かそう!子どもの権利条例の会」に名称を変え、市民団体が条例制定後も市や議会に働きかけ続けているという点は、素晴らしいと感じました。
条例はつくるまでのプロセスも大切ですが、できてから、それをどう具現化していくかが大切です。小金井市では、条例の計画と推進、子どもオンブズパーソンの設置、まさに6月議会で私が求めたことを、市民団体が陳情したことで動いたということに、感銘を受けました。
計画と推進は、子ども・子育て支援計画に内包されているという、これまた担当課の見解も同じでしたが、そちらの会議体のほうが自主的に子どもの権利部会を作ろうという動きがあること、そして子どもオンブズについては、2022年に設置という目標が計画に明記され、現在、その策定に向けて動いているといいます。日野市にもぜひその必要性を理解し、取り組んでほしいものです。

●権利?わがまま?
条例制定にあたっては、「子どもに権利なんて与えたらわがままになる」という根強い意見があったことも、共通しています。しかし、人権は与えられるものではなく、誰もが生まれながらにもっているものです。弱い立場の子ども達は、それがないがしろにされてしまっているから、その権利を保障していきましょうということです。
子育て世代の参加者からは「それがわがままかなのかは、子ども自身にもわからない。誰が判断するのか、むしろ子どもが安心してわがままを言える環境を作ることが大切」「大人の幸せが大切という言葉(下記スライド)にグッときた。本当にその通り」「学校の先生も忙しいのはわかるが、もっと子どもと対話の時間を持つことで子どもも安心できるのでは」といった感想が述べられました。

大人が幸せにのサムネイル

川崎市子どもの権利条例ができるときに、条例策定にかかわったこども達からおとなに贈られた言葉

●第三の居場所
子どもには家と学校以外の第三の居場所が必要です。「子どもの意見をきく」イコール「子どもの言うなりになる」という勘違いがあるようですが、そうではなく、子どもの視点を持ち、子どもの感じていることを受け止めるということです。「わかっていても自分の子どもにはなかなかできない」という意見にうなずく参加者も多く、だからこそこのような場、このような時間、大人にも第三の居場所が必要だと感じました。

対話はリアルに越したことはないとは思いますが、オンラインならではの安心感というのもあります。子育て世代も参加でき、今日も子どもが呼ぶ声が聞こえてきて、いいなと思いました。
議会報告以外にも、様々なテーマで開催していけたらと思いますので、ぜひお声をお聞かせください。